■調理スタート
カレー=煮込むとおいしい、なんてイメージがありますが、長時間煮込むとせっかくのスパイスの香りが飛んでしまうことも。調べてみると、20分程度の煮込みでいいようです。ビール向きのスパイシーなキーマカレーであれば、煮込みすぎないようにしなければ。
熱した鍋に油を少し多め(大さじ2程度)に入れ、ニンニクとショウガ、そしてタマネギを加えます。弱火にして、タマネギがきつね色になるまでじっくり炒めて、タマネギの甘味やうまみを引き出します。ここをおろそかにはできません。
焦げ付きそうになったら、少量の水(20ccくらい)を加えて焦げをこそぎ落とすようにしてもOK。
タマネギがきつね色になったら挽肉を加え、全体の挽肉の色が変わるまで炒めます。
次にスパイスを加え、全体になじませます。粉っぽさを残さないようにするのが目的です。
トマト、ピーナッツバター、ヨーグルト、水100ml、塩ひとつまみを加えて煮込みます。
弱火のまま火にかけ、ひたひただったスープが煮詰まり、ほぼスープなしになったら完成です。最後に塩味が足りない場合は、塩で調味。醤油やナンプラーを垂らしても香ばしくなります。
■煮込みの間にトッピング作り
煮込み時間は少ないですが、タマネギを炒めるのに結構時間がかかります。カレーができる合間に、トッピングのナスと温泉卵、箸休めのサラダを作ります。
まずはトッピングの温泉卵を作ります。ヨーグルトメーカーに60度くらいの湯と温水にいれて温めた生卵をセット。65度・1〜2時間で温泉卵に。
ナスは煮込むとトロトロになるのでスキレットで軽く焼き、脇に添えることに。魚焼きグリルで焼くとオイル不要でいっそうヘルシーですね。
そして「TK-2000」でタマネギ、ニンニク、ニンジン、カシューナッツなど適当な食材をみじん切りに。ざく切りのトマトとひと口大に切ったサラダチキン、レンチンしたブロッコリーを加え、混ぜ合わせたサラダです。味付けはマスタードとはちみつ、レモン汁、オリーブオイル、塩、コショウで適当に作った甘酸っぱいドレッシングにしました。
それと、キーマカレーには普通の白いごはんでもいいのですが、せっかくターメリックがあるのでターメリックごはんにしました。
タマネギとニンニクのみじん切りをオリーブオイル(大さじ1くらい)で炒め、香りが出たら米1.5合を加えて炒めます。米にオリーブオイルがなじんだら、塩少々、ターメリック(小さじ1/2くらい)、水(米と同量)を加えていつも通りに炊きます。炊飯器の場合は、米とともにターメリック、塩、タマネギ、ニンニク、オイルを入れてスイッチオン。
■くーっ、ビールのシュワシュワにあう!
ここまでの作業で使った鍋は、カレー用鍋とナス用のスキレットの2つだけ。面倒な洗い物を少なくして、さらに安心して酔える(ここ大事)ようにワンプレートに盛り付けました。
できあがったキーマカレーは、いつも食べているカレー(カレールーの中辛程度)よりも辛みは少ないのですがインド料理店のような本格的な香りが部屋に漂い雰囲気満点。狙い通り、ビールのシュワシュワ加減がピッタリの味になりました。
右側の小皿には、以前グアムで購入した唐辛子ペースト「レッドママ カレープラス」。これを少量加えるとパンチが効きます。塩味も加わるのでよりビール向き。刺激に飽きたら、今度は温玉をからませてまったり甘いカレーに。こちらはハイボールが似合います。
常備つまみのカシューナッツと、ウイスキーで軽く煮込んだレーズンがあったので、カレーに混ぜてみたところ、また味に変化が生まれてビールに逆戻り。
フープロでガーッと刻んで煮込むだけ。タマネギのみじん切りをしたくないがために避けていたキーマカレーですが、思いのほか簡単で、ビールがよくあうそれっぽい味になりました。適当に乾き物を加えるだけで味変もできます。
そういえばみじん切りへの苦手意識がありすぎて、フープロをみじん切りとすりおろしにしか使っていませんが、挽肉作りもフープロの得意技のひとつ。ラムやマトンを使ったキーマカレーは、それはそれはビールが進む味になることでしょう。
一皿で無限にビールが飲める危険なキーマカレー。肉やスパイスを変えれば、連日の宅飲みビールに歯止めがきかなくなりそうです。
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取材・文/大森弘恵
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter