■初心者でも簡単に作れる手軽さが魅力
自作ナイフキットといっても、厳密にはハンドルを削って磨いて仕上げることがメイン。
それは購入前から知っていたのですが、ソーセージ作り、壁塗り、コーヒー豆の焙煎…と、“自宅で何かを作る!”というのをこのゴールデンウィークのテーマにしているので、まずは前哨戦として軽めのモノから手を出してみました。
Webの表示は【難易度★★☆】でしたが、想像以上に簡単。
ところが…思いっきりハマりました。
■完成までは「組み立て」「削る」「磨く」「塗る」の4ステップ
キットの内訳は、フォールディング刃(安来鋼青紙二号/炭素鋼 )×1本、ハンドル用の木材(ブナの木)×1組、組ネジ(ステンレス)×2組、ピン×1本、皿バネ×2枚、ワッシャー×2枚、板ドライバー×1枚、サンドペーパー(#120・#240)×各1枚、つくりかた説明書×1です。
たったこれだけなので、説明書がなくても完成します。注意点は皿バネの向きだけ。ここさえ間違えなければ、誰でも作れると思います。
1-1.ハンドルに組みネジとブレードを組み込み固定
3ヶ所穴が空いているハンドルに、組みネジとピン、ワッシャー、板バネを置き、ブレードをのせます。文字で立体化すると次のよう。
組みネジ
↓
ハンドル
↓
ワッシャー
↓
皿バネ
↓
ブレード
↓
皿バネ
↓
ワッシャー
↓
ハンドル
↓
組みネジ
の順番です。ハンドルの内側には「inside」と書かれていますので、表裏を間違えることはありません。
前述しましたが、唯一の注意点がその名の通り、お皿のような曲面になっている皿バネの向きです。ブレードをお皿で挟むと覚えておけば大丈夫。説明書なしで組み立てられます。
1-2.組みネジを板ドライバーで締める
ブレードを組み込み、ハンドルにある2ヶ所の組みネジをドライバーで締めれば完成。板ドライバーが付属するので、組み立てだけであれば用意するものはありません。
完成までわずか5分。組み立て後の全長は約220mm、刃を収納した時の全長は147mm。ほんと拍子抜けするくらいの簡単さですが、ここからが本番です。
この状態で握ってみるとやはり角が手のひらにあたり、握りにくいため、創作意欲がフツフツと湧いてきます。
2.ナイフで自分好みに削っていく
ナイフで鉛筆削っていたのだって遥か昔。ナイフで形作ることなんて普段ないから、最初は探り探りチマチマ切っていたのですが、「削り過ぎたら直せばいいか!」と思ったら気が楽になりまずは粗削り。切削加工性が高い、ホオ材なのでサクサク削れます。
削っては握り、削っては握りしながら形を整えていたら、昔、卓球部でペンハンドのラケットを自分の持ちやすいように削っていったことを思い出しました。
ちなみに削ったナイフは、同じ兵庫県三木市の永尾駒製作所の「肥後守」!こちらも青紙鋼。
3.サンドペーパーで磨く、磨く、磨く
だいたい形が整ったらあとはひたすらサンドペーパーで磨く、磨く、磨く。まずは粗めの#120で。磨き終わったら仕上げに#240で磨きます。
キットには入っていませんが、さらに細かい番手のサンドペーパーで磨けばより表面が美しく仕上がります。
ブレードを収納したままだと磨きにくい場所はブレードを出して磨きます。刃の取り扱いにはくれぐれもご注意を。
磨きが終わり、一応の完成です。
だいたい2時間くらいで終わったのですが、削って磨いている間、無心になれました。
もうちょっと、もうちょっとと、細かく修正したり、もっと丸みを帯びた形状にしたりすればもっと時間がかかると思います。
4.ハンドルをバラして好きな色を塗っていく
素組みでは完成しましたが、ハンドルの内側まで塗れないのと、ブレードに塗料が付いてしまうため一旦、バラします。
バラしたハンドルを塗っていきます。好きな色でいのですが、風合いを活かすために手元にあった「柿渋」を刷毛で塗っていきました。
何度か重ね塗りをして塗装も完了。再度、組み立てて完成です!
柿渋を重ね塗りしたせいか、ネジ穴が小さくなった気がし、最初に組み立てた時よりも若干時間がかかりました。
5.再度組み立てて完成!
一旦バラしたパーツを組み直して完成!
素朴な感じで手作り感が残っていますが、個人的には大満足。作る際にこだわったポイントは以下の3つです。
・親指を置きやすいようにする
・人差し指の流れに合わせる
・しっかり小指でも握れるようにする
握っては削り、削っては磨きを繰り返したのでかなり握りやすくなりました。