■日本刃物の本格派だけに切れ味抜群
ハンドルのクラフトもさることながら、もともとのコンセプトが“折りたためる包丁”ということで、実際に調理をしてみました。
見た目自体からやる気満々。ハンドルと刃が一直線のオピネルと比べると、違いが一目瞭然です。ちょうど食材を切りやすい角度になっているのです。
しかも刃は、ブレードは鋼と地金からなる伝統的な日本刃物で、職人がひとつひとつ手で研ぎあげたという本格派。
そこでキャンプの朝食でよく作る“沼サン”(詳細は略)を作ってみました。切りにくいパンやチーズ、トマトに、細く切らなければいけないキャベツ、脂が絡みつくベーコンと、簡単ながらペティナイフの実力を試すには格好の調理。
ということで早速作ってみました。
まずはパンを半分のカット。いつもは食パンを使うのですが、今回はフォカッチャを使用。パンは、専用のパン切り包丁があるくらいで、パンを普通の包丁で切ると断面がボサボサになるのですが、一刀入れただけで感動!
パン切り包丁のように波形の刃ではないのに、切れる切れる。刃を入れてスーッと引けば、断面が押し潰されずにスパッと切れます。
これだけで、My キャンプ料理ナイフに確定です!
続いて、スライスチーズです。サーっと刃先を滑らせればきれいに切れましたが、滑らせるよりも刃を押し当てて切った方がすんなり切れたかもしれません。
そして沼サンのキモになるキャベツの千切り。これをサクッサクッと切れなければ料理用ナイフとしてはそもそも失格なので、もちろん問題なく、しかも取り回しがいいのも手伝って、簡単に細切りできました。
そして脂がべっとりとブレード全体に絡みつくベーコンも難なくカット。
そして最後が、難関のトマトです。皮が硬く、中が柔らかいため、スパッと切れないとまな板が汁だらけになってしまいます。
見てください。このまな板の美しさ。皮も中もスパッと切れるので、汁が出てきません。
包丁の切れ味を試すのにトマトを切った動画がありますが、まさにそれ。ほんとスパッと切れて気持ちいい体験ができました。
そしていよいよ完成!美味しい沼サンができあがりました。
ということで包丁としての実力は疑う余地はありません。まさに、作ってよし、使ってよしの1本です。
* * *
作り終えた今の心境は、どうバージョンアップさせるか?
ブレードに黒錆加工をするか、ハンドルを焼き仕上げにするか、それとも折たたみ式料理ナイフ専用のレザーケースである「It's my knife Folding」を購入するか、真ちゅうネジセットに交換するか…。
ゴールデンウィークの楽しみがひとつ増えました。
>> FEDECA「It's my knife Folding Standard」
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文/澤村尚徳<&GP>