初心者でも、ブレない映像が撮れる!
まずは1歳半になる息子を撮ってみた。最近歩き始めたばかりなので、動きは激しくない。あまり近づきすぎないよう、彼の動きに合わせてカメラの画角を合わせていく。
子どもを撮影する際は、カメラ位置を下げるにかぎる。大人の視点から撮っても、頭ばかりが目立ってしまうからだ。一方、子どもの目線まで下げれば、その表情がよく写せる。
自然と、腰を極端に落とした状態で撮影することになる。この慣れないポジションで撮影すると、そうとう気を付けていないと、普通はブレブレの映像になってしまう。だが「DJI OSMO」の場合は、かなりラフに撮っても、上のように振動を感じさせない、解像感の高い映像が撮れた。
また、20mmの広角レンズが採用されているため、ある程度の画角を決めれば、あとはモニター(連携させたスマートフォンの画面)を見なくても、狙った被写体が撮れていた。使っていくうちに、自分と被写体との距離を目測して、どんな画角かがだいたいわかるようになってきた。このあたりは、GoProなどのアクティブカメラと同じような使い勝手だ。
幼児のように歩いている時であれば、最新のデジカメやムービーに搭載されている手ブレ補正機構だけでも、かなりのブレがキャンセルされる。だが、走っている状態では、その効果は限定的だろう。
そこで、激しく動き回る小型犬を撮ってみた。静と動の変化が極端な犬に合わせて、自分も走ったり停まったりを繰り返す。そんな動きで撮影しても、カメラの映像は、ゆらりゆらりと宙を浮いているように彼らをとらえていた。
できるだけ彼らの視線の高さで撮りたいため、腰の位置をかなり下げている。この中腰姿勢で犬にカメラを向けるため、DJI OSMOを水平に近い角度で持つか、またはグリップ部分を上にし、カメラ部を下げて地面すれすれに構えたりして撮影した。
そう、DJI OSMOは腕をだらりと垂らした状態でも、設定すれば、カメラを水平に保ってくれる。設定は簡単で、例えば腕を垂らしてカメラ部を下に向けたら、操作部のボタンを2回クリックするだけ。カメラはひっくり返った状態だが、撮影された映像は、しっかりと空が上に映っている。このあたりも、GoProなどと同じ仕様なのだ。
さらに激しく上下に振動するクルマの車内から撮影。ダッシュボードが上下に揺れているのに、全体の映像は激しく揺れていないことが分かるはず。
「DJI OSMO」は、カメラ部を上下左右に動かせる。グリップ上部の操作部にあるボタンを、ぐりぐりと動かすことで、カメラの向きが上下左右に動いてくれる。例えば低い位置から子どもを見上げたり、左右にカメラをパンさせたりできるのだ。
ブレない“人の目”と同じ映像が撮れる
普段は何も考えずに、歩いたり走ったりしながらも、目で何かを見ている。その時に見る景色って、ブレていないなぁと気がついた。そんな自分が見た映像に、より近い、ブレのない映像が気軽に撮れるのが「DJI OSMO」なのだ。
また、一般的なカメラの手ブレ補正機構が進化しているとはいえ、「DJI OSMO」に比肩する性能を持つカメラは見当たらない。そうしたカメラで三脚などを使わずに手持ちで撮るなら、カメラの位置やレンズの向きを固定しておいたほうがよい。あっちこっちと向きを変えると、ブレや振動と相まって、酷い映像になるからだ。
だが、振動を吸収してくれる「DJI OSMO」であれば、走り回って撮影しても大丈夫。そのため、これまでの固定した視点の動画だけでなく、動きのある映像がキレイに残せる。
「DJI OSMO」は、映像のバリエーションを確実に増やせるカメラだった。
(文/河原塚英信)
モノ情報誌『BestGear』の編集者として家電製品を10年以上追い続けた後に、フリーランスの編集ライターへ。現在は生活家電専門の情報サイト『家電Watch』を中心に、雑誌では『GoodsPress』『週刊SPA!』などで編集執筆。生活家電をはじめ、テレビやレコーダーなどのAV機器や、ウエアラブル端末にも精通する。
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