Jabraの完全ワイヤレスイヤホンとしては最上位となる「Elite Active 75t」ですが、外見もほとんど同じ「Elite 75t」のスポーツ仕様版で、防水と仕上げ以外はすべて共通。
そもそもJabraは1869年創業と創業151年にもなる大手通信機器メーカー。「Elite Active 75t」は通話用マイクを4基も内蔵と、通話重視のビジネスマンに人気のシリーズです。
装着してみると、耳にちょうど蓋をするようにフィットする人間光学に基づいた形状。耳に接する内側は滑りにくいマット仕様になっていて、さらにイヤージェルと呼ばれる滑りにくいイヤーピースが3サイズ付属。フィット感と遮音性はGNグループ内にある補聴器メーカーの知見も生かされているとか。
本体操作は左右イヤホンの外側が押し込めるボタンで、音楽再生と音量アップ/ダウンも対応。左イヤホンのボタン長押しで外音取り込み機能の“HearThrough”を有効にできます。“HearThrough”は耳の聞こえ方以上にハッキリ音を拾うので、音楽を聴きつつ周囲の音にもちゃんと気づきたい人にはアリ。アプリで外音の取り込み具合の調整が可能です。
イヤホン単体の再生時間は約7.5時間、充電ケース込みで最大28時間再生の再生に対応。付属本体ケースもコンパクトです。
気になる通話品質もチェックしていきましょう。まずはWindows10のPCとペアリング。ビデオ会議アプリを立ち上げてマイク性能をテストしてみると、自分の話す声はとてもクリア。ただし、周囲の人の声や音楽などもしっかりと拾うので、賑やかな場所での通話は要注意です。スマホと接続したままPCと同時接続できるマルチペアリングに対応していて、仕事と音楽兼用にも向いています。
■アプリがおもしろい
お次はiPhoneとペアリングして音楽リスニングの音質もチェック。
宇多田ヒカルの『あなた』から聴くと、歌声を前に出すと共に低音のパワフルさも確保。楽器の音も素直な音バランスで全てを再現するので、オーケストラの楽器の音色が自然に広がります。BrunoMars『24K Magic』は重低音の躍動感はしっかりつつつ、中高域は癖なくスムーズな高音質。
面白いのがカスタム機能。“Jabra Sound+”アプリからプリセットとカスタムイコライザによる音質調整が可能です。歌声を耳の近くからクリアに鳴らすなら“音声”、強烈な重低音なら“低音ブースト”、音の煌めきなら“トレブルブースト”、音の厚み重視の“スムーズ”、ドンシャリ志向の“エネルギー”と自由自在。これらをマイモーメント/通勤/フォーカス(集中)とシチェーション別に登録でるので、使い分けもしやすい設計になっています。
そしてアプリで面白い機能が“サウンドスケープ”です。波の音や鳥のさえずりなど多数の環境音を収録しています。これら環境音は高音質で周囲の音も気にならなくなるので、仕事や勉強に集中する目的ならお役立ちかも。
音楽リスニングにもPCのビデオ会議用の通話にも通用する、オールマイティな完全ワイヤレスイヤホンJabra「Elite Active 75t」。今はひとまず自宅での仕事用に購入して、将来はスポーツも兼用。そんなお買い物もアリなんじゃないでしょうか。
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取材・文/折原一也
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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