「カーボン」と聞いて、あの独特の編み込み模様を想像する人は多いのではないでしょうか?
軽く、高強度、高剛性、高耐熱性の特性を持ち、レーシングカーやアタッシェケース、ゴルフのシャフトなどに使われているアレです。
でも、それはカーボンファイバーのこと。今回は、同じく“カーボン”と呼ばれますが、カーボングラファイトの話です。
カーボンファイバーとカーボングラファイトの違いは、ざくっというとカーボンファイバーは、アクリル繊維などを高温で熱して炭化したもの。単独で使われることがなく、他の合成樹脂と組み合わせて編み込んで使うため、あのような繊維の柄になっているのが特徴です。
対するカーボングラファイトは、炭を高温で熱して不純物を焼き切った純粋な炭。つまり炭素素材を黒鉛化したものなのです。カーボンファイバーは前出のようなコンシューマー向けの製品にも使われますが、こちらは機械部品など工業的な用途で使われます。なので、あまり素材そのものを目にする機会はないかもしれません。
前置きが長くなりましたが、そんな工業用として使われる純度99.9%の炭(カーボングラファイト)を削り出した調理器具があるのです。
それがアナオリ カーボンの「アナオリカーボン ポット」です。
すでに「アナオリカーボン ポット オーバル」(9万2400円)、「アナオリカーボン ポット ボリューム」(5万2800円)、「アナオリカーボン ポット ココット リンゴ」(3万4100円)、「アナオリカーボン ポット ディスク」(9万7900円)と形と大きさ、用途の違う4種類をラインナップ。他にグリルも2種類発売されていますが、ここでは割愛させていただきます。
単純に額面だけを見れば、高価な鍋だなと思います。そもそもカーボン自体が高価ですし、ほかのカーボンファイバーの製品もプロ用製品か高級品にしか使われていませんから仕方ないかなと思います。
でもカーボンポットの大事なところはそこではありません!
「カーボンで鍋を作って意味があるの?」ということ。
レースの世界では軽くて強靭なパーツが求められるのは分かりますし、ゴルフのシャフトも同様です。でもカーボンポットは、鍋です。鍋をカーボンで作って、ただ高価なだけでは意味がありません。
そこで今回、カーボン鍋は素人が使っても分かるか検証しました。
ちなみにこの鍋の特性は、カーボン素材による熱伝導率が高く、炭の遠赤外線効果が高く、肉厚構造による蓄熱性が高いということです。