今回乗船したのは、「マリナー・オブ・ザ・シーズ」というアジア最大級13.8万トンのクルーズ船。ロイヤル・カリビアン・インターナショナルという会社が世界中で就航している客船のひとつ。
以前に乗ったことがある人が「六本木ヒルズが動くみたいだよ」と言っていましたが、まさにそれ。映画館にショッピングモール、レストランにプールにジム……。ないのはオフィスぐらいでしょうか。
船内での通貨はすべてUSドル。といっても現金で支払うことはなく、すべてルームキーと一緒になった「シーパスカード」を使って支払います。
乗船は早めに行って、まずは食事をとるべし
シンガポール発着で、マレーシアの寄港地で下船しなくとも、国外に出ることになるのでイミグレーションでの出国検査があります。出港時間は17時で、船内で日本人コーディネーターからの説明会が15時からなのですが、必ず早めに乗船すること。
私は12時に港に向かったのですが、それでもクルーズ慣れしたシンガポール人たちには遅いぐらい。そう、出港前からクルーズは始まっているのです。
クルージング中は、特別なレストランを除いては、基本的な食事代は全部タダ! そのため、乗船日のランチから船内で食べるのがツウのテクニックなのです。乗船時には「ウィンジャマ―カフェ」が11時半からオープン。バイキングスタイルで洋食、中華にインド料理と国際色豊かなメニューで早々に満腹になりましょう。
お得情報の宝庫 船内新聞は隅から隅までチェック!
チェックインしてすぐに自分の部屋を確認したら、ランチでも開いているレストラン情報のチェック。船内新聞「COMPASS」は毎日のイベントや食事のスケジュールが満載。
早速チェックしたのはスパのサービスが当たる抽選会。会場に行くと、参加者は50人程度。総乗船人数3500人のなかで、この抽選会までチェックしている人は少ない模様。とはいえ、残念ながら何も当たらず……。
船内アクティビティは時間指定のものを優先すべし!
乗船中には劇場での生オーケストラ付きのミュージカルやアイススケートショーなど、見ごたえのあるプログラムが目白押し。でも注意したいのが、人気のものは時間が指定されていること。
何度も言いいますが、3500人の乗客がどっと押し寄せてはトラブルになるわけです。乗船時に渡されるルームキーである「シーパスカード」は、船内での支払いでクレジットカードのようにも使いますが、ショーの指定時間もこの番号で振り分けられています。
私のイチ押しは、アイススケートショー。実際のリンクの4分の1の大きさでオリンピック出場経験のあるスケーターたちの息遣いや削り出す氷の欠片も見える距離でパフォーマンスが鑑賞できます。
オススメは正面の最前列。ここに座れば、コミカルなシーンでは水をかけられたり、美しいスケーターたちからの熱い視線がもらえる特典も! キッズならば、真っ先に入口左を降りたところにある限定4席のピエロのマークを狙って。その席に座れた人は、ショーに参加させてもらえます。
施設を使ったもの以外にも、船内を縦断するプロムナードやバーをステージに、シュレックや長靴をはいた猫、映画「マダガスカル」の仲間たちが踊る「ドリームワークスパレード」や、70年代ディスコパーティなど、短いと10分、長いもので1時間のイベントが船内のあちこちで行われるので、本当に息をつく間もない!
夜の食事はフルコース!
夜の食事はクルージング中はフルコースが提供されます。就航中の1日のみ、フォーマルデーが指定されているので、その日はドレスアップして。ひとりで参加すると寂しいのでは? と思うかもしれませんが、意外とひとりで参加の人は多く、そういう方たちがうまく楽しめるようにテーブル席も設定されています。
海の上でのボルダリングやミニゴルフなど遊び尽くすのも大変!
例えば都内で室内ボルダリングをやるには、登録料や参加料などで初回3000円は必要です。シューズもヘルメットもレンタルできて、すべてシーパスカードを見せるだけでOK。
船のデッキの上で、さらに高さがあるので怖さもひとしお……。やや高所恐怖症なワタクシは、ちょっと登っただけで断念。ほかにも、船上で楽しめるミニゴルフやバスケットコート、屋外プールも3つ。船内にはカジノもあるので、1度のクルージングで完全に遊び尽くすのは早々にあきらめたほど。
ご自慢写真をアップしたい人にもオススメ!
今回のクルーズは、USドルで442ドルからで、だいたい3泊4日で5~6万円程度。部屋の大きさも奥行きは少ないものの幅があるので狭さを感じないサイズでした。
3泊とフルコースの料理が3回分に好きな時間に食べられる料理とアクティビティの利用費が含まれているうえ、それが海の上! 飛行機での移動だと映画を見るぐらいですが、船だと下船地での旅行までの過程もたっぷり楽しめます。
クルーズ中に気づいたのは、ベビーカーや車いすの人が多いこと。船内にはエレベーターが乗客用だけでも12機もあり、移動もラクラク。祖父母から孫までの揃っての家族クルーズを楽しむ人も多く、客船での旅行は空港に行く交通やアクティビティへの移動の負担も地上に比べるとぐっと少なめ。
この船は定期的に航路を変えていて、4月・5月には日本・上海間を運航する片道4泊5日のプランが就航予定。そこでは日本人乗客が増えることが予想されるため、元フィギュアスケート選手でオリンピック銀メダリストの伊藤みどりさんによるスペシャルトークショーや、浅田真央さんをはじめとする多くのスケーターのプログラムを振りつけている坂上美紀さんによるスケート教室もあります。
さらに、元日本代表の水沼貴史さんと波戸康広さんによるサッカー教室、日本のプロ野球界を牽引した山本浩二さん、東尾修さんによる野球教室やトークショーなどのプログラムも実施されます。
お得なクルーズ旅は今後日本発着が増えることが予想されているので、新たなトレンドになるかも?
ミキ・ツーリストhttp://www.royalcaribbean.jp/cruise/mariner2016/index.html
(文/北本祐子)
大阪府生まれ。IT系出版社勤務をしながら、2000年よりデザート番長としての活動を開始。2008年にフリーランスとなり、新聞・雑誌・Web媒体などで主に最新トレンドに関する取材・執筆を行う。著書に『がんばる私にごほうびスイーツ』(大和書房刊)がある。
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