このイベントは、ウエアラブル端末やスマートデバイスなど、最新義技術を用いた独自の研究開発を行うリクルートテクノロジーズ内の研究組織であるアドバンスドデクノロジーラボが主催。2016年に普及が予想されるVRを、いかに現実世界に実装することができるのかを研究開発しているそうです。
米谷氏によると、2007年のiPhone登場を時代の潮流が変わったタイミングとして捉え、2016年におけるVRも、今後大きな流れになるのではないかとのこと。コンピュータの進化において、インプットするためのデバイスがキーボード、マウス、タッチデバイス、音声やジェスチャーコントロールと進化を続けています。
それに対して、アウトプットデバイスは、紙、モニター以降の進化が停滞していると指摘したうえで、VRやAR、テレイグジスタンス(遠隔にあるものを見たり操作する技術)が新たな体験をもたらすのではないかと語っていました。
今回展示されたコンテンツは全部で6つ。すべてのコンテンツで「Oculus Rift」が使用されていました。各コンテンツの内容を見ていきましょう。
五感で観光体験できる「四季の世界遺産ドライブ」
冬の白川郷に始まり、白神山地、熊野古道を抜けて春の姫路城まで、日本国内の4つの世界遺産をバイクに乗って一気に体験できるVR企画。
本物のバイクのような疾走感や悪路を走る感覚、加速減速をリアルに表現しています。
筆者も実際に体験したのですが、路面のガタガタ感や風を受ける感じが、本物さながらでした。実際にバイクを運転するのとは違い、運転しながら周囲をキョロキョロできるので、思う存分景色も楽しめます。コンテンツはUnityで構築したフルCGでかなりリアル。実写での観光体験にも期待したくなります!
乗馬型健康器具を使った「美瑛の丘レース-Hashirlus-」
乗馬型健康器具を使い、乗馬と北海道の美瑛の自然を体験できるコンテンツです。
手綱コントローラーを早く動かすと馬が早く走り、タイムアタックや4人までのレースが楽しめます。
見慣れた健康器具がVRの新たな体験に繋がるユニークな発想が魅力。実際にプレイしている人たちの様子を見ていると、こういうのがゲームセンターなどにあると楽しそうだなと感じました。
「TOKYOスカイラン-Urban Coaster-」でドキドキの浮遊体験
ブランコ型のコースターで東京の空を走るコンテンツ。映像に合わせた風量の切り替え機能を実装しています。
筆者は高所恐怖症なので体験はスルーしましたが、映像を見ているだけでもヒヤッとします!
ブランコの動きの制御は人力で行っているのですが、実際にはささやかな動きがVRでは大きな動きに感じるそうです。
実写VRで座間味の海を体験できる「座間味 ロケットジャンプ」
ドローンに360度カメラを積載して撮られた沖縄の座間味島にある小島を、ジェットパックを背負って飛んで移動する気分を体感できます。
3Dでなく実際の映像を使っただけあり、体験がかなりリアル。
仮想のジェットパックを背負い、体験者のジャンプに合わせてファンが回ってロケット噴出を演出する工夫が施されています。かなり大掛かりな仕掛けですが、VRならではの魅力を伝えることができるコンテンツです。
デジタルなのにアナログな「指サッカー」
片手にユニフォームと靴をはめ、手首にカメラを装着することで、手元の映像をヘッドマウントディスプレイで見ながらサッカーをプレイできます。
自分の手首がサッカー選手の下半身のように見える仕組みで、実際のサッカーのように複数名で遊ぶのだとか。
指でボールを”蹴る”のがなかなか難しく、上手になれば複数名でのプレイも楽しめそうです。
「ペンギンロボ コントローラー」でペンギンの気持ちを疑似体験
遠隔地のプールにいるペンギンロボットをリモートコントロール体験する、テレイグジスタンスのコンテンツ。
ペンギンロボットは会場から離れた品川のプールで待機。ペンギンに取り付けられたカメラとリンクした、ヘッドマウントディスプレイの映像と、ペンギンロボットのヒレとリンクしているコントローラーの動きにより、自分がペンギンになったような体験ができます。
面白いのが、こんなふうにペンギンの翼のようなものを背負うところです。ジャイロならびに加速度センサーで羽ばたく動きを取得し、ペンギン側に反映されます。この企画は大学生チームのTRYROBOTSによるペンギンロボットぼ研究「もるペン!」をリクルートテクノロジーズが支援する形で実現した企画だそうです。
ただ遊ぶだけじゃないVRの特性を活かしたさまざまなコンテンツが登場することで、VRがより身近な存在になるはず。技術力の向上はもちろん、どんな場面でVRの恩恵に授かれるようになれるのかが楽しみになる体験会でした。
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