液晶表示は賛否あるシステムですが、用途と予算が許せばあるに越したことはないでしょう。電池残量や持続予測時間や現在のモードは、誰にとってもわかりやすい方がいいかと思います。操作ボタンはパワーボタンとモードボタンに別れています。液晶の存在もあって、初心者にも使いやすいでしょう。
最先端ライトということで当然のごとく充電機能付き。ACEBEAM「K65GT」の方にはない機能。と言っても、ライト本体の充電機能は汎用充電器に劣ることがほとんどです。特に複数本を同時に充電するライトでは、時々汎用充電器で満充電してあげた方がいいかと思います。
LEDはLUMINUS SBT-90 GEN II。ACEBEAM「K65GT」と同じですね。広い発光面積から大光量を発揮し、さらに集光性を高めやすい欲張ったLED。それにデカくて深い鏡面リフレクターを備えているのも同じ構造です。
LEDとリフレクターの仕様が同じなら、配光も似ています。ザ・ターボヘッドという感じの弩スポットな配光。普段使いにはまず向かないピンスポットですが、大遠距離でのサーチングには威力を発揮するはずです。
実はこのNITECORE「TM39 LITE」の公称最大光度は56万カンデラほどで、ACEBEAM「K65GT」の70万カンデラから1段落ちる印象がありました。
が。
実測してみると、80万カンデラほど出ています。ACEBEAM「K65GT」の方も、ほぼ公称どおりの出力で立派なものですが、「TM39」はちょっと逆サバを読みすぎている気もします。公称値の1.5倍ほど出ている計算になりますからね…。実はこれ、偶然並べて点灯して気が付きました。NITECOREのこういう実力を隠すようなところは侮れないんですよね。
バッテリーは18650電池4本を並列で投入。伝統的なTMシリーズのバッテリー収納方法を踏襲しています。最新の大光量LEDが要求する電圧には昇圧回路で対応します。大型モデルのLITE版ということもあって、ヘッドに比べると驚くほど小さなボディ。このバランス感が「TM39」をよりモンスターっぽく見せています。
背面には三脚穴と充電穴。三脚の雲台に固定できるので、据え置きの投光器のように使用可能です。三脚穴を備えたライトは少なくないのですが、「TM39」はしっかりした穴の深さと、周囲の平面が確保できることから、安定しやすいかと思います。
液晶・ダブルボタン・三脚穴・充電式といういくつかの要素がお互いに長所を引き出しあい、初見のユーザーでも使いやすいでしょう。こうしたライトは貴重ですね。
例えば、最近多い豪雨の現場で、川の対岸の崖を監視する…というような時、持ち出せる機材に限りがあるなら、「TM39 LITE」はかなり有力な候補になるでしょう。10万カンデラの光を数時間引っ張れるライトは多くありません。そこに操作性や展開性を採点に含めれば、対抗馬がほとんどないライトになります。(アカリセンター価格:3万9930円)
<文・写真/アカリセンター>
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