種、苗からコーヒー豆へ!「トアルコ トラジャ」ができるまで<コーヒー農園訪問記・中編>

■生産農園、収穫日ごとに味をチェック

パダマラン農園で収穫されたコーヒー豆以外は、トアルコ・ジャヤ社が行っている出張集買で買い取ったものや、持ち込まれたものです。

もちろん、豆の買い取りには厳しい条件があります。でも、トラジャ地方のコーヒー農家は、長年のトアルコ・ジャヤ社との関係からそれを熟知しています。また高品質なコーヒーの栽培方法や精選方法を教わっていることもあり、今では集買所に持ち込まれる豆のほとんどは買い取り条件を満たすものだといいます。

そうして集められた豆は、農園内やランテパオにあるトアルコ・ジャヤ社の事務所でクオリティチェックが行われます。

▲どの場所で栽培され、いつ誰が持ち込んだものかまでしっかり記録された生豆

▲同条件で焙煎

▲焙煎した豆と生豆を並べて見た目もチェック

▲そして、豆を挽いた粉に直接お湯を注いでカップテスト(カッピング)

▲まずは表面に浮いた粉をどけて香りをチェック。左はパダマラン農園に常駐する唯一の日本人、トアルコ・ジャヤ社生産担当取締役の藤井さん

▲香りをチェックしたら空気と一緒に吸い込んで味のチェック。この時、小鳥の鳴き声のような音が出るとベテランっぽく見えます(笑)。ちなみに藤井さんの音は高く澄んだ美しい音でした

このようなチェックを受け、問題なしとなってようやくトアルコ・ジャヤのトラジャコーヒー「トアルコ トラジャ」となるのです。香り高くコクがあり、そしておいしい。その評価を得続けるために、多くの人の手と目と舌で何度も何度もセレクションを行う。そうしてトラジャの名産が作られ、トラジャの人々の生活を支えています。

1976年に始まったキーコーヒーのトラジャ事業は、まず道路を作ることからスタートしたといいます。

▲まずはこの道を作ることから始まった

そして40年以上経ったいま、農園では多くの現地の人が働き、トラジャの人々の手によってクオリティの高いコーヒーが作られています。1杯のコーヒーに、それだけの歴史があり、人の手があると思うと、さらに味わい深く感じます。

最後はトラジャやスラウェシ島の文化に触れて帰国です。

後編へ続く

<取材・文/円道秀和(&GP) 写真/田口陽介>

 

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