まずはサイズ比較のためにヘリノックスの「チェアワン」を置いてみました。中央の袋は別売フットプリントでチェアワンよりも小さく、右側のパンダライト収納袋はチェアワンよりも大きめ。43×φ14cm/本体重量1.55kg(総重量1.94kg)で、ご本家「パンダ」(34×φ14cm/本体重量2.26kg)よりも厚みが10cmほど薄くなります。
ちなみにVCは49×16×H25cm/本体重量5.26kg、スカート付きVC+は53×18×H25cm/本体重量4.82kg、スカート付きTC+は53×19×H27cm/本体重量4.38kg。どれもバイクに積載できるサイズですが、さすがにコットン混紡シリーズは重量感があります。
中から出してみました。左からインナーテント、ポール、張り綱+ペグ、フライ、別売フットプリント。それぞれに収納袋があるのでバラバラにして隙間に詰め込むことだってできます。
■四角いフロアなので一発で決まる
フロアのないワンポールテントは、きれいにフロアのカタチを整えてペグを打ったつもりでも微妙にゆがんでいて、ポールを立ち上げてから微調整しなくてはいけません。でも「パンダライト」はフロアが四角いので微調整はほぼ不要。
さっそくフライシートを広げます。フロアが正方形だとわかりますね。
フライシートの角が90度になるよう意識しつつ、端がピンと張るようにペグで固定します。ちなみに写真では地面が硬く、付属のペグでは心許ないので手持ちの鋳鉄ペグを使っています。
ファスナーを開き、付属のポールを内側に立てます。ポールの片側には黒いキャップが付いているので、こちらを下にします。
このままインナーなしでタープがわりに使うのもアリです。コットをいれてもいい感じなんですが、今回はインナーもしっかり付けていきます。
インナーのトグルを頂上のリングに取り付けます。
最後にインナー四隅のトグルをフライのリングに引っかけて完成です。インナーを縦方向に装着する場合は、出入り口側はペグダウンする必要があるので、インナー四隅にはゴムの輪っかも付いています。
ちなみに、ご本家「パンダ」はトグルではなくバックル。ここらへんも「パンダライト」の軽さの理由をうかがえます。
■インナーは2方向に吊せる
初期モデルの「パンダ」はフロアが長方形でしたが、2019年以降のシリーズはフロアが正方形。なのでインナーテントは横方向にも縦方向にも取り付けられます。
奥にインナーテントをセットしました。入り口を両側に広げて出入りできます。縦方向にセットする場合、フライの出入り口は半分になりますがインナーに雨が入り込みにくくなります。
インナーは220×100×H135cmの長方形で、ひとりが横たわるとぴったり。着替えなど小物を置くスペースも確保できます。
上部には2か所、ベンチレーターを装備。フルクローズにしても地面からの湿気、呼気をスムーズに排出します。
フライシートは前後同じ形になっているので、インナーテントを装着した状態で前後を大きく開けば心地よい風を感じながら眠れるし、インナーテントなしでタープのように使うこともできます。
フライは240×240×H150cm。インナーのない場所にはソロ用テーブルなど大きめの道具だって置けます。インナーとフライは20cmほど隙間があるので、風で押されてもインナーとフライがくっつかないのも安心です。
ちなみに、インナーテントの背面側はファスナーがありません。取り付ける際に注意しましょう。ファスナーがない代わりといってはなんですが、三角形の小さなポケットがあるので、小物はこちらへ。
フライシートとインナーのボトムは20Dリップストップナイロンという、とても薄く、しなやかな生地が採用されています。「パンダ」のフライは40Dリップストップナイロン、インナーは68Dポリエステルタフタなので「パンダライト」の薄さ・軽さがよくわかります。
* * *
「パンダ」はキャンプ初心者でも簡単・きれいに設営できるワンポールテントです。素材と仕様を見直し、もっと軽くした「パンダライト」は、徒歩キャンプや飛行機を使うキャンプ旅向き。より気軽なテントになっています。
>> テンマクデザイン
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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