■大きさと組み立てやすさを調査
コンパクト収納であっても、組み立てに時間がかかる焚き火台は結局使わなくなってしまいます。それにあまりに小さな焚き火台はこまめに世話をしなくてはならず、面倒くさくなってこれまた使わなくなってしまいます。
▼上からも横からも炎がきれい
「ヴァルカンM」φ35×H24cm
折りたたみ式の脚を広げ、羽根も広げます。ケースからエアーフローを取り出し、中に置けば完成。脚はポッチ付きで約3cm刻みで3段階に変えられるのも気が利いています。今回は砂利の上なのでローチェアに座って自然に手が届くよう一番低くしています。羽根にはまるで炎のような空気孔があいているので、脚を伸ばしたり地面に座ったりして横から炎を眺めるのも楽しそう。
▼美しく力強い炎を上から眺めて
「ぷちもえファイヤー」22×7.5×H16.5cm
耐熱塗装を施したスチールテーブルを置き、その上に「ぷちもえファイヤー」を載せれば準備完了。必要であれば写真のようにゴトクを載せましょう。だれでも直感的に組み立てられます。「ぷちもえファイヤー」の醍醐味はなんといっても勢いのいい炎を眺めること。ローチェアに座るとやや前屈みになりますが、美しい炎を堪能するにはこれくらいがいい感じです。耐荷重10kg。
▼バーベキューも計算した高さ
「ファイアグリルsolo」29.5×29.5×H18cm
兄弟である「ファイアグリル」と構造は同じ。脚を広げて本体を載せるだけ。ローチェアだと薪を加えたり熾きをいじったりするのに少し前屈みになりますが、高さ37cmの「焚き火テーブル」に載せると高さ55cm。一般的なバーベキューグリルは60cm程度ですから付属の焼き網を載せてバーベキューをするのにちょうどいい高さとなっています。このさじ加減がユニフレームのうまさです。耐荷重5kg。
■焚き火の手間は?
火床が大きいとその分、太い薪をたっぷり入れられるので何もしなくても長く燃える炎を楽しめます。また、空気を効率良く取り入れてよく燃える焚き火台は気持ちいいのですが、半面、薪をどんどん消費してしまいます。自分はどんな焚き火が好きなのかを知っておくことも、焚き火台選びでは重要なポイントとなりそうです。
▼市販の薪を使える
「ヴァルカンM」はφ35cmで深めなので市販の薪をそのまま使えます。羽根にはひとつひとつ通風口があいているので、写真のように乾ききっていない小枝を入れてもよく燃えました。薪を並列に並べて小さな焚き火もできます。
底にエアーフローを置きます。これがあることで底にある小さな穴に灰が詰まらず、小さな穴から吸い上げた空気を周囲に向かって吐き出すので火力アップにもつながります。
▼燃え残りが少なくほとんど灰に
「ぷちもえファイヤー」は両脇が二重構造。下側の穴から取り込んだ空気で薪が燃焼、上部の穴から熱気が噴出し燃焼しきれなかったガスを燃やし尽くします。だから本体が温まったらとても勢いのいい炎になり、燃え残りもごくわずか。
火種を下の方に入れられます。深型なのも勢いよく燃焼するのに役立ちますが、幅が狭いため4cm以上の薪は半分くらいに割る必要があります。燃焼効率が高く、薪を多く消費するので明るいうちにたっぷり薪の準備をしておきましょう。
※「ぷちもえファイヤー」に置くゴトクの設置方向が違っておりました。正しくは上記のようになります。
▼底のロストルが効く!
「ファイアグリル」と同じで底に大きめの空気孔がたっぷり空けられたロストルを敷きます。細く、ちょっと湿った薪でもよく燃えました。正方形なのでいろいろな薪の組み方ができ、狙い通りの炎を作るのも楽しいですね。
「ファイアグリル」より一辺が13.5cm短く、高さもほぼ半分。
市販の薪は斜めにすると端がはみ出ますが許容範囲。真ん中が燃えて折れたら、両端が落ちるかもしれないので、時々確認する必要があります。
* * *
ひと口に「小さな焚き火台」と言ってもいろいろな性格をもっています。勢いのある炎を楽しみたいなら二次燃焼ができるものや薪を高く組めるものを、小さな炎を長く楽しみたいなら太い薪を平らに並べられるものを選びましょう。
なお、これからの季節は乾いた落ち葉が地面に広がっています。焚き火の熱、炎は思わぬところまで届くので、炎の管理はきっちりと。眠る前、帰宅時には確実に消火して指定の場所に捨てることもお忘れなく。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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