■分岐水栓かタンク式か
食洗機(食器洗い乾燥機)と聞くと、台所の引き出しに備わった立派なものを想像する人もいるかもしれませんが、ああいった製品を使うにはリフォームが必要です。我が家は賃貸なので、外付けの食洗機が前提となりました。
外付けの食洗機にも給水の仕方によって、2つの種類があります。1つ目は水道に接続して給水ができるようにする分岐水栓式の製品。2つ目は手で水を注いで使うタンク式の製品です。
分岐水栓の場合には、設置の段階で工事が必要になり、また基本的には水道の近くに設置しなくてはなりません。工事が必要となると、引っ越すとなったときに面倒だし、まな板を広げる調理スペースを少しでも広く確保しておきたいので、今回はパスに…。
結局、水道から離れた場所にも設置しやすいタンク式の食洗機を探すことを決意しました。なお、結果的にですが、製品を設置するときに、この判断が正解だったと判明します。
■食洗機選びの決め手は2段目と温水洗浄
少し前までは割と珍しい扱いだったタンク式の食洗機ですが、最近はネットで検索するとかなりの種類がヒットします。
さて、どれを選んだものか、とメーカーサイトやレビューブログを読み漁りつつ、最終的にこの条件があれば良いだろうと絞ったポイントは3つ。
1つ目は、上段にトレイがあること。茶碗や平皿を設置できるスペースがある一方で、箸やナイフ・フォークなどのカトラリーを設置できるトレイが設けられていない製品が結構あります。これらを手洗いすると割り切るなら問題ないですが、私は少しでも手間を減らしたかったので、ここに拘りました。
2つ目は、温水洗浄と乾燥機能があるかどうか。油ものの汚れは温水洗浄でないと落ちにくいし、乾燥機能がないと、例えば夜間に洗浄した食器が朝になって結露だらけという状況になり、衛生的にやや心配だからです。軽く洗ってからセットするから平気、洗い終わったらすぐ布巾で拭き取るから平気、という人はこだわらなくても良いポイントでしょうが、極力手間を減らすという方針なのでこちらも必須に。
3つ目は、洗浄力に対してレビューで酷評がないこと。正直購入して使用するまで、正確な性能を知ることは難しい。ただし、雑誌やWebメディア、個人ブログ等のレビュー記事を読み漁れば、どの程度の洗浄力があるのかの目安は分かります。今回は、あまりに酷い評価がなければ、候補から外さないという方針で製品を検討しました。
■AINXのAX-S3Wを購入
いろいろと悩み、筆者は結局AINX(アイネクス)の「AX-S3W」という製品を購入しました。家電量販店系のECサイトでは、販売終了になっていたのですが、Amazon.co.jpなどでは継続して取り扱われていたので、こちらで購入。
本体サイズは約W42.8×D42.5×H45.8cmで、そこそこサイズがあります。もし1DKの賃貸の台所に設置すると、たぶんまな板を置くスペースが無くなるでしょう。電子レンジより一回り大きいので、一般的な水切りラックを設置するよりも広いスペースを占領します。
庫内サイズは、約W35.5×D31×H34cmあります。1〜2人分の食器を収納してちょうど良いサイズですね。上段には、ナイフフォークや箸を収納できるトレイもあります。機能としては、温水洗浄モードも選択でき、乾燥機能も搭載。タンク式食洗機としてはハイエンドに相当する部類でしょう。しかも、実は分岐水栓での使用にも対応するので、引っ越したあとに分岐水栓に変えることもできるという優れものです。
価格は、私が夏に購入したときには5万円弱もしたのですが、記事執筆時点では3万6000円弱まで値下がりしています。お得に購入できそうなタイミングですね(ちょっと悔しいですが笑)。
■設置で苦労した原因
さて、「タンク式だから水道が近くになくても設置できる」という感覚で買ったのですが、設置にも落とし穴がありました。電源コードです。皆さんも購入時には気をつけてチェックしてください。
私が購入した製品の電源コード長は1.5m。キッチンはアイランド型でコンセントもないため、周囲の壁まではまず届きません。もし、分岐水栓の想定だったらここで詰んでいたでしょう。
さらにうっかり失念していたのですが、アース線の取り付けが必須でした。となると、コンセントはアース対応の場所に接続しなくてはなりません。設置場所から1.5mのケーブルでアース対応のコンセントに接続できる、という条件にはタンク式でも苦戦しました。
我が家の場合は、冷蔵庫と電子レンジの配置を変えるなどして、なんとか食洗機の配置が行えました。ちなみに、Amazon.co.jpでは返品不可だったので、もしケーブルが届かなかったら…と考えると冷や汗が出たものです。