■試運転では給水と洗剤に注意を
セッティングが無事に終わったら、まずは試運転。電源を入れたら、上部にある蓋を開け、1.8Lくらい注げる給水カップで3杯の水を注ぎます。必要量が入るとピピピピッと音がなるので、3杯目はゆっくり入れるのがコツです。なお、注ぎ方によっては、割と水が跳ねるので、布巾などを用意しておくと安心です。
なお、給水をする際の注意は「必ず電源が入っている状態で行うこと」。説明書によれば、電源オフのまま水を入れると故障するので、もし入れちゃったらサポートに連絡してとのこと(ただ、スリープ状態は別に大丈夫)。よって、我が家では電源ケーブルは挿しっぱなしにしています。
洗剤は必ず食洗機用のものを使います。私はタブレット状のものを購入しました。うっかり普段使っている台所用の食器用洗剤で良いだろうと使用すると故障につながるので気をつけましょう。どうやら食洗機用の洗剤は、泡立ちにくく、手荒れなどを気にしない分洗浄力が強いという特徴があるようです。一方、台所用の食器用洗剤だとモコモコに泡立ってしまうので、これが食洗機に良くないのだとか。
■排水はバケツで対応
タンク式は水回りに配置しなくても使えるメリットがありますが、その場合、排水をどうするか考えなくてはならないというデメリットもあります。我が家では、バケツを設置することで対応しました。ただし、排水ホースが万が一バケツからはみ出ると床が汚水で水浸しという事態になりかねないので、設置は慎重に、そして自己責任で行なってください。
私が使ったバケツでは、ちょっとサイズがギリギリで給水の量によっては、溢れてしまうこともありました。また、バケツにたまった排水を捨てる際に、排水ホースに残っている水の処理もしなくてはならないので、予備のトレイやこぼれてしまった水を拭く雑巾などを用意しておくと安心です。
もし、同様の運用を想定する場合には、参考にしてみてください。
■使ってみて何が変わったか?
筆者の経験として、食洗機を買おうかなと家族や友人に相談すると、必ず「結局、手で洗った方が早い」論を語る人が出てきたのですが、私は実際購入してみて、そうは思いませんでした。
もちろん、食洗機で洗えない食器や調理器具も存在しますし、欲張ってお皿を詰め込みすぎてしまったときなど、条件によっては稀に洗い残しがある場面も出てくるのは確かです。
しかし、洗い物の量が20あったとして、食洗機を利用すると、手洗いすべき洗い物の量を5〜10くらいまでには減らせています。導入前に30分〜1時間かかっていた作業時間が、導入後には5〜10分まで減らせたイメージですね。一人暮らしはもちろん、家族と暮らしていて毎日洗い物を担当している人にとっても「なんで今まで使わなかったんだろう」と思えるほどの差です。
手洗いをゼロにすることは無理ですが、確実に負担を減らすことは可能だと思います。
まぁ、筆者のようにタンク式を流しから離れた場所で使うの場合には、給水や排水の管理を行う手間があります。これらを望まない場合には、やはり工事をお願いして分岐水栓式の製品を流し横で使う方が良いでしょう。ただし、調理スペースをどうやって確保するのか、ケーブル接続にアース線が必要か、ケーブル長はどのくらいあってそもそも設置できるのか、という問題はしっかりと作戦を練る必要がありますので、いろいろとトレードオフな関係ではありますね。
* * *
実際に導入してみて、タンク式の食洗機でも、長期的にかなりの手間を減らしてくれると分かりました。3〜5万円を支払っても、導入を検討する価値はあると思いますよ。日々、食器の山や、洗剤による手荒れに悩んでいた人は、「どうせ食洗機なんて」と思わずに、まず試してみてもいいかもしれません。
<取材・文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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