都心の隠れ家!人気もつ料理専門店「三六」“別邸”に行ってきた

 

外観

賑やかな通りから1歩奥まった場所にひっそりたたずむ一軒家。この隠れ家感が嬉しい

 

築49年の一軒家を改装したという同店の魅力はまずその隠れ家風のたたずまいにある。暖簾をくぐると、短いながらも丁寧に削り出した美濃石のアプローチ。目の前に現れる木の引き戸を開けると土間があり、畳、障子、温かみのある照明。どこか昭和にタイムスリップしたような、それでいて知人の家にでも招かれたような……古き良き日本家屋のしつらえにほっと心が和むのだ。

特にモツ好き、酒好きであれば、そのお品書きもわくわくするものがある。「三六」の看板メニューといえば、備長炭で焼き上げる香ばしくジューシーな「もつ焼き」だが、当然ながら同店でも稀少部位までフルラインナップで味わえる。

焼き台手元

焼き手やスタッフ自らの手で丁寧に串打ちする“もつ”はどれも鮮度バツグン。部位ごとに変える絶妙な炙りで、表面パリッと中はジューシーな食感があとをひく

 

言うまでもなく、八丁味噌のコクととろけるような風味の「どて煮込み」や「ればカツ」「れば唐揚げ」「もつ刺し」など、「三六」の人気メニューはもちろんすべてスキ無くオンリストされるのだが、加えて充実するのが「別邸」オリジナルのサイドメニューの数々だ。

 

どて煮込み

「三六」の看板メニューのひとつ「どて煮込み」(690円)には、別途「ガーリックトースト」(110円)のオーダーもお忘れなく

たん刺し横

どの料理も「鮮度の良さ」にこだわる同店ならではの自慢の1品は「もつ刺し」。鮮度バツグンの「上たん刺し」「がつ刺し」「豚はつ刺し」など計5つの刺しがそれぞれ580円でいただける。写真は「豚はつ刺し」

 

注文が入ってから作るゆえ、出来立てが味わえる「木桝とうふ」、店でイカとすり身をたたいて蒸し上げた蒲鉾で供す「蒸し板わさ」や、揚げたてのふわふわがクセになる「さつま揚げ」、家庭料理のド定番でもある「温かいポテトサラダ」等々、料理長がひとつひとつ丁寧に仕込んだ酒の肴たちが充実。なかでも、自家製の“ガリ”をトマトとマリネした「がりトマト」や、同じガリを豚ばらで巻いて備長炭で焼き上げる「豚ばら生姜巻き」は他店では味わえない逸品だ。

 

がりトマト2

串と串の間につまむ1品としてぜひ味わってほしいオリジナル料理「がりトマト」420円

 

そこそこに小腹が満たされたら、メインには「もつ鍋」も忘れずに味わいたい。あご出汁の「しょうゆ」と、豚骨みその「みそ」のふたつのスープから選べるが、初めての来店なら、丁寧にとった出汁でさっぱりいただく「しょうゆ」をおすすめする。

 

もつ鍋1

人気の「もつ鍋」は2人前で2790円。「焼きもの」や肴類を食べたうえでいただくのであれば十分なボリューム。〆に雑炊やちゃんぽん麺の追加も可能(追加料金500円)

 

前菜にはじまり、焼き・揚げ・煮・鍋と、ひととおり網羅すると相当な満足感で満たされる。が、それでもいただきたいのは、まさに“〆のあとひとくち”をテーマに料理長が考案したという「茶そば」と「いなり」である。

 

茶そば

こいなり同様、“〆”にほんのひとくち、ふたくち……という気分に応えてくれる。「茶そば」250円

 

茶そばは小鉢で3~4くち程度のサイズで、いなりも小ぶりで例のガリなどの具材で後味もさっぱり。ちなみにこの特製いなりは差し入れ用や手土産用に持ち帰りもできるので、自宅への手土産に(または飲んだ後に立ち寄る家への手土産にしたい)という人は、会計前に注文することをぜひお忘れなく。

 

いなり

〆のひとくちいなりは、2個で250円。茶そばとセットで490円という、ある意味破格の値づけ。「おみやいなり」(写真下)は8個で1000円だ

おみやいなり

 

「赤坂見附駅」や「赤坂駅」から徒歩約4分。日枝神社からもわずかな距離ゆえなのか、パワースポット的に居心地のよい空間が印象的。近所の立ち飲みで1杯引っかけてからの移動も良し。気心の知れた仲間たちと寛ぐも良し。おいしいもつ料理がいただける、赤坂の新たな隠れ家空間に注目したい。

 

【三六・別邸】
東京都港区赤坂3-7-9
昼:月~金 11:30~13:00(L.O.13:30)、夜:月~土・祝 17:00~23:30(L.O.22:45)
03-6441-3690
銀座線「赤坂見附駅」(10番出口)、千代田線「赤坂駅」(1番出口)からそれぞれ徒歩約4分。
http://www.miroku-motsu.jp

 

(文/松浦 明

matsuuraakari

まつうらあかり/エディター、ライター

英国・ロンドン「Sotheby's Institute of Art」で西洋美術史を学び、帰国後は美術図録の編集に携わる。ギャップ出版入社後、ライフスタイルマガジン『gap』や数々の書籍の企画・編集を手がけ2003年に独立。現在は雑誌・ウェブマガジンでの記事執筆、食ブランドや企業のフリーペーパーなどの企画・編集等を手がけている。

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