■レザークラフトに使う道具は種類が豊富
レザークラフトには多くの工具が必要で、同じ工具でもサイズ違いも複数用意しなければなりません。近くに専門店があれば、その都度買い足すことも可能でしょうが、そうでない場合はある程度揃ったセットを購入するのが良さそう。
インターネットではさまざまなセットが販売されていますが、その中で評価の高さとお値段のバランスが良かったのが、「YIGIZAレザークラフト 工具セット」(9880円)。手元に届いた箱を開くと、中にはぎっしりと工具が詰まっており気分は盛り上がります。ただし初見の道具が多いうえに種類も多いので、初心者は道具の整理だけでも一苦労かもしれません。
■まずは革を切り出すための型紙作り
英語の解説書だけでは苦しいので日本製の入門書も併読し、なんとか作業を始めました。まず作るのは革を切り出すための型紙ですが、ここでナイフシース独特の難しさが判明します。
通常の初心者向け革細工なら、コインケースや小物入れなどの作品の型紙が入門書に付いてきます。まずはそれで練習し、次第にオリジナルの作品へと進んでいくのですが、ナイフシースではベースになるナイフの形状や大きさが決まっていないため、その都度ナイフを基に型紙を自分で作らねばならないのです。
厚紙の上にナイフを置き、見よう見まねで線を引いてみます。ただナイフが入るだけでなく、抜き差ししやすいサイズを考えなければなりません。せっかくなのでベルトに通すループもつけてみたいです。半日、あーだこーだと線を引き続けようやくオリジナルの型紙が完成しました。
型紙が完成すれば、その形を革に写し取りカットしていきます。今回用意した革は厚さ2mmの牛革で、A4サイズ1枚が約900円。失敗はなるべく避けたいところです。
ボールペンで慎重にラインをトレースし、革の切断へと移ります。
工具セットには切断用の道具として、革包丁とカッターナイフが入っていました。革包丁はカッコ良くて切れ味も抜群なのですが、初心者では細かい細工が難しいく、ここは使いなれたカッターナイフの方が安心でした。
写真中央にある、オタマジャクシのようなパーツがナイフシース本体となり、その手前の船のような形は、鞘内に空間を作るための中子と呼ばれるパーツです。
■本体のパーツに折り目を付ける
続いて本体のパーツに折り目をつけます。革は厚みがあるので、この作業をしておかないとうまく折り畳めません。本体パーツの中心線に沿って、U字型の彫刻刀で細く溝を彫っていきます。思いのほか作業効率は良く、気持ちよく彫り進むことができました。
彫り終わったら、革の裏側全体にトコノール(594円)というクリームを塗りました。毛羽立ちを防止する効果があるそうです。
クリームが落ち着いたら、革用接着剤で中子を接着します。接着すると簡単には外れない一発勝負なので、とても緊張しました。