■とにかくノイキャンが優秀
Bose初のノイキャン対応完全ワイヤレスとなる「QC Earbuds」。複数マイクでノイズを検出、独自アルゴリズムと小型トランスデューサーにより1/1000秒のスピードでノイズと同等レベルの逆位相の音を返すノイズキャンセル技術を搭載しています。技術的に難しそうに聞こえますが、これはBoseが開発を続けてきた、ノイズキャンセル技術の最もスタンダードな系統です。
サイズは完全ワイヤレスイヤホンとしては大きめで、片側で実測約9.4g。イヤーピースとスタビライザを一体化したシリコン製の“StayHear Maxチップ”が付いていて、物理的な遮音性もしっかりしていて耳にもがっちりフィット。頭を振っても全く動く気配もありません。IPX4の防滴・防汗性能なのでスポーツ用としても通用します。
スマホとの接続はBluetoothですが、“Bose Music”アプリ経由で接続を進めていくのが正解。セットアップが完了するとアプリ画面でノイズキャンセル等の調整が可能になります。
イヤホンの操作はタッチコントロール。右イヤホンを1タップで再生/停止、左イヤホンの1タップはショートカットとしてバッテリー残量か曲送りを登録可能。イヤホンからの音量操作はできません。
ノイズキャンセル性能はアプリで10段階、イヤホン本体(左イヤホン2回タップ)でオフを含む3段階で調整可です。
バッテー性能は連続再生時間6時間、充電ケースと併用で合計18時間。ケースもやや大きめですね。
PCとの接続については説明書等には記載はありませんが、Windows10のPCでもBluetoothでペアリングして利用可能。実際にZoomで試してみると、声をしっかりと高感度で拾ってくれて、マイク性能は十分に優秀。通話用イヤホンとしても利用できそうです。
気になるノイキャン性能もテスト。室内だと、スッと騒音が消えます。付けた瞬間分かる優秀さで、喧騒やエアコンの音もほぼ消えます。ノイキャンが最高の10だと隣の部屋テレビの音声もかなり抑えられるので、テレワークの集中用にもいいかも。ノイキャンを下げると適度に周囲の音が聞こえる外音取り込み状態になります。
取材に出かけた折に電車内でも試してみましたが、電車の轟音のような騒音はほぼカットして快適。同時に持ち込んだAirPods Proでは低減しきれなかった空気圧のような音まで消えているので、ノイキャン性能はAirPods Proよりも優秀ですね。
■リッチな重低音のボリューム感!
「Bose QC Earbuds」の音質もチェック。
リファレンス曲の宇多田ヒカルの『あなた』から聴くと、声をしっかりクリアに聴かせつつ、ピアノも余韻たっぷり。華やかなサウンドで情報を密度感たっぷりに展開し、楽器の音に包み込まれるサウンド。Boseらしく深く沈む重低音の心地良さも健在です。BrunoMarsの『24K Magic』では、空気を振動させるような重低音のボリューム感がリッチで、リズムの刻みも強烈。歌声やサウンドエフェクトも、音空間に浮かぶような雰囲気で聴かせてくれます。3万円超とかなりの高価格帯モデルとなりますが、音質的にも十分アリです。
Bose初のノイキャン対応完全ワイヤレスイヤホンとなる「Bose QC Earbuds」ですが、もう文句ナシの完成度の高さ。ノイキャン性能はAirPods Proすら上回る最強レベルだし、サウンドもちゃんといい音。2020年下半期の完全ワイヤレスイヤホンのベストバイ候補筆頭です!
>> Bose
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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