■作り方が独特のおにぎりと味に変化がつくパスタ
そして最後に、作り方がほかと若干異なる尾西食品の「鮭おにぎり」と、アルファ米ではないサタケの「カルボナーラ」を試してみました。
鮭おにぎりは、握らなくてもおにぎりの形になるのが特徴。手が汚れていても、食べられるメリットがあります。作り方は、お湯か水を注水線(約67ml)まで入れ、袋のチャックを閉めたら、20回程度振り混ぜます。お湯なら15分、水なら60分待ち、食べる前に袋の切り口を2カ所切れば完成です。
三角形状を作るために袋が真ん中あたりで狭くなっているので、乾燥剤が取り出しにくいのと、作業工程が多いのが難点。
ちょっと大きめで、ちゃんと形になっている鮭おにぎり。握っているわけではないのでボロボロするのは仕方ないですが、しっかりと味がついていて、十分美味しくいただけます。
カルボナーラは、熱湯または水を注水線まで入れ、ブロックソースが溶けるまでよく混ぜます。チャックを閉め、熱湯の場合は3分、水の場合は20分待てば完成です。せっかく食べるなら温かい方がいいので熱湯で実食しましたが、さすがにできるのが早い。
カルボナーラというよりはもっと汁っ気のある、カルボナーラ風味のクリームソース。濃いめですが普通にある味で、問題なく食べられます。中身はパスタではなくマカロニで、ソースがよく絡み、良くいえば噛みごたえのある食感です。
今回、6種類を試食しましたが、いずれも想像以上で、変な言い方ですが“普通に”食べられる美味しさ。ただ持ち出すことを考えた場合、疲れると塩分が欲しくなるというので濃い味付けの洋風か、喉が乾かなそうな薄味の和食にするか悩みました。
結果、非常用持ち出し袋に入れるのは、食べ慣れている和食のタイプを入れることに決定!
■非常用持ち出しリュックを作った
非常用持ち出し袋に入れることにしたのは、家族3人で以下の12食。尾西食品「田舎ごはん」「田舎おこわ」「五目ごはん」「わかめごはん」「松茸ごはん」「携帯おにぎり 五目おこわ」「携帯おにぎり 鮭ごはん」「携帯おにぎり わかめ」。サタケ マジックライス「五目ご飯」「わかめご飯」「青菜ご飯」「梅じゃこご飯」。
実際にこの数を入れられるか、非常用持ち出しリュックを改めて作ってみました。
■情報が多すぎて何を入れるか迷う
以前は情報が少なく何を入れたらいいのかが分かりませんでしたが、今は逆に情報が多すぎて迷います。住んでいる県が発表している非常用持ち出し品のリストはだいたい以下のようなもの。
1.リュックサック 2.非常食 3.ベットボトル入り飲料水 4.懐中電灯 5.ろうそく 6.ライター 7.携帯ラジオ 8.万能はさみ 9.軍手 10.ロープ 11.毛抜き 12.消毒液 13.脱脂綿 14.ガーゼ 15.絆創膏 16.包帯 17.三角巾(バンダナ、手ぬぐい) 18.マスク 19.常備薬・持病薬 20.レジャーシート 21.サバイバルブランケット 22.簡易トイレ 23.タオル(2枚) 24.ポリ袋(大小5枚) 25.トイレットペーパー 26.ウェットティッシュ 27.現金(10円玉×25枚) 28.ガムテープ(布製) 29.油性マジック(太字) 30.筆記用具(メモ帳、油性ボールペン)
これをベースに揃えてみました。ただ一次持出品と二次持出品はきっちり分けられないので混ざっています。
【上段左から】ソーラーランタン、クッカー、浄水器、トイレットペーパー、防災テープ、カイロ、水のいらないシャンプー、下にネックウォーマー、ウォーターバッグ。【2段目左から】から、エスビット(固形燃料+台)、ライター、カトラリー、油性ペン、ウエットティッシュ、サバイバルブランケット。【3段目左から】マルチツール、ロープ、手袋。【4段目左から】クッション、上に(15年持つ単3形乾電池、15年持つ単4形乾電池、AC電源付きポータブル電源、変換ケーブル、ヘッドライト、コンセント)、ラジオ、軍手、救急キット、吸水タオル、非常用圧縮セット。【5段目左から】携帯トイレ、歯磨きテッシュ、布マスク、除菌ジェル
保存食と用意したアイテムを全部入れるとこうなります。パンパンですが、背負って苦になる重さではありません。
ただし、詰めてわかった課題もあります。
1つめが水。よく1日1人3リットルともいわれますが、自宅ならまだしも、その半分の量だとしても、500ml×3本×3人×3日で13.5リットル。これを持ち運ぶのは現実的ではない気がします(歩く前提で)。あるに越したことはないですが、どれだけ持っていくかは悩みどころです。
水を減らす想定で浄水器とウォーターバッグを入れました。水を入手できるかはともかく、課題の2つめが、この浄水器。使ったことがないので、いざという時に使えるように練習が必要です。
3つめが、作る余裕があるか分からないので、水も要らない食べものはやはり用意しておいた方がいいと思いました。4つめが、今回入れていないレインウエアやアウター、タオルなどはどうするか。5つめが、家族全員が同じ中身にモノを持つのか、それともマザーバッグとほかのバッグとで入れるものを変えた方がいいのか。6つめが、サイズと数。大きいものしか手に入らなかったり、数をどれだけ揃えたらいいのか分からなかったりしたので、内容物を変更する必要があります。
※ ※ ※
異臭騒ぎをきっかけに防災グッズを見直しましたが、まだまだブラッシュアップの必要性があります。また、入れておくだけでなく、使いこなせるようにする、中身を見直す、どこに置くかも大事だということも再認識。
保存食の美味しさだけでなく意外な気づきが色々あった今回。飲料と寒さ対策も考えながら、今後はより軽く、自分の家族に適した仕様にしていきたいと思います。
>>尾西食品
アルファ米12種全部セット
本体重量:1.3㎏
<写真・文/澤村尚徳(&GP)>
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