■黒染めされたナイフ
このモデルに装備されるツールはすべて黒染めされたスチールが使われています。鈍く光るブラックブレードはなかなかにカッコイイ。ブレード展開時のロックは簡易的なもので、刃先を固いものに強く押し当てると折り畳めます。こうして書くとダメなように感じますが、“安全”という点では理にかなったシステムです。この仕組みにより、万が一の事故を最小限に抑えられます。
ブレードの長さは、人差し指の第二関節までもなく、とても短い。幅広のブレードのように、肉を切ったりロープを切ったりすることは想定されていないと思います。ですが、段ボールの封を切ったり、荷造り紐を切るなど、日常で料理以外に刃物を使うであろう状況には十分対応できるものです。
コロナの影響もあり、密にならない公園で子ども達と遊ぶ機会が増えました。地面に落ちた小枝を削り、ちょっとしたものを作ってあげると喜んでくれます。それが大したものでなくても、ナイフで枝を削るという様子が珍しいらしく、「自分もやってみたい!」と言われました。父としてはちょっとうれしかったり。
小枝を削る程度であれば充分な切れ味。もちろん、幅広のブレードに比べれば頼りない部分はありますが、何せこのサイズですからね。
■ナイフ以外のツールをチェック
▼小さいけれど切れ味抜群なハサミ
ブレードの反対側にあるミニハサミ。展開してすぐ使えます。ハサミにはバネ板が付いており、握ることでサクサクと紙を切れます。小さいですが、切れ味はかなり良い。日常ではナイフよりも活躍の機会が多いかもしれないツールだけに、ちゃんと使えることはうれしい!
▼マイナスドライバーとスケール
ナイフの隣にあるマイナスドライバー。プラスドライバーを兼ねる機能を持つメーカーもありますが、このモデルのマイナスドライバーはそうではないようです。小さいですが、メガネの蝶番を締められるほど小さくはなく、ちょっと大きなネジを締めるには小さ過ぎる、そんな感じです。私の身の回りには使えそうな物がありませんでした。
マイナスドライバーの両側にはインチとミリのスケールが付いています。小さなものを計るには目安になるのでしょうか? いずれにしても黒染めされているので周囲が明るくないとメモリが読みづらいかも…。
これは本来の使い方ではないので推奨しませんが、簡易的なシールピックとしては使えそうです。塗料の蓋を開けるときや、スイッチカバーを外す時など細い先端部を差し込んでこじって開ける時に便利です。ただし、あまり大きなものや固いものに使うと折れる恐れがあるので、ご注意を。
▼ボールペン
ハサミが付いている側にスライドレバーがあり、前方にコッキングしてやると先端からボールペンが出てきます。もちろん、ちゃんと書けます。出先でペンを忘れて書き物をしなければならない時などに便利です。
ボールペンは引き抜いて交換が可能。引き抜くだけなのでとても簡単です。替え芯はビクトリノックスが取り扱っています。替え芯としてはちょっと割高ですが、交換可能である点は安心ですね。
▼LEDライト
商品に同梱されている乾電池を装填すれば使えます。トレードマークの十字の部分を押すと点灯。押している時だけ点灯する方式のスイッチです。LEDは小型の砲弾型が付いており、さほど明るくはありませんが、真っ暗な中であれば充分使えるかと思います。
電池を装填する際は、ゼムクリップのようなものを使ってカバーを開く必要があります。カバーの反対側に小さな穴があり、そこに先端の細いものを差し込んで押すとカバーが開きます。使用電池はSR1130Wというもの。
ちなみにライトを付けながらペンが使えます。暗所で書き物をする時に助かりますね。書き続けるのは少々難儀ですが、伝票にサインするくらいであれば問題なしです。
▼高級感あるギフトボックス
そしてこの「シグネチャーライトオニキスブラック」は、黒いギフトボックスに入っているので、贈り物に最適。日本語を含む多国語の説明も同梱されているので、初めてビクトリノックスを使う人でも安心です。
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樹脂製のボディは軽量化に大きく貢献していますが、傷付きやすいのが玉にキズ。光沢ある高級感あるルックスだけに、鍵束などに付けると早々に傷が付いてしまうかもしれません。少しぐらい傷がある方が味があると思えるくらいの大人の余裕が必要です。
またひとつひとつのツールは小さいので、手の大きな人は使いづらいと感じることもあるかもしれません。しかしそれは、製品を大きさを考慮すれば容易に想像ができるはず。ポケットツールに過大な丈夫さを求めるのはナンセンスというものです。あくまでも、このコンパクトなサイズを活かした日常の課題を手軽に解決するためのツールなんです。役立つシーンは日常に意外とあったりするものですよ。
<取材・文/GOL>
GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。
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