まずは、cado版の最大の特徴である、フェイスの中心に据えられた1本の注水口から見てみましょう。一般的なウォーターサーバーは、コップでレバーを押すなどして水を注ぎますが、本機はコップを置き台にセットして“出水”ボタンを押すだけ。かがむことなく自然な姿勢で水を注ぐことができます。しかも上から覗き込むと、コップにどのくらいの水が入ったのか一目瞭然。毎日、高頻度で行う操作だけに、実に使い勝手がいいと感じました。
また、小さな子供がいる家庭では、彼らがいたずらしてレバー類を押し、ウォーターサーバーの周囲がびちょびちょになる、なんてケースも。その点、cado版は“出水”ボタンが上に向けて配置されているので、小さな子供の視界に入りにくく、手が届きにくい分、そうしたトラブルも防げそうです。
注水口からお湯を出す際は、まずは“HOT”ボタンを3秒間、長押し。お湯に切り替わると音と光で知らせてくれるので、安全性は高そうです。コップを置き台に載せたまま注げるので、お湯が手に掛かる心配はほぼなく、ヤケドの不安も少ないのは嬉しいところ。もちろん、上からお湯が注がれる様子を確認できて注ぎ過ぎもないので、覗き込んだ際に湯気でメガネが曇る、なんてこともありません。
ウォーターサーバーの利用に際し、最も面倒な作業といえばボトルのセッティング。満タンの重いボトルを持ち上げる作業は、女性やお年寄りには特にキツく、男性だって油断すると腰を傷める恐れも。
その点、cado版は下の扉を開き、ポンプが内蔵されたボックスを引き出してボトルをセットするだけ。水はポンプを通じて自動的に、上部にある冷水タンクへと注がれます。ボトルを持ち上げる必要がないことは、かなりの負担減に繋がりますし、本体内部にボトルが完全に隠れるので、見た目にとてもスマートです。
さらにcado版は、一般的なウォーターサーバーと比べ、非常に機能的な点も特徴です。注水口の上にある操作パネルは、日本語表記で非常に分かりやすく、操作に迷うことがありません。また、LEDインジケーターで「温水」「冷水」「給水」の状態を表示しますが、それぞれが赤や青に点灯中は、水の量が十分に足りていることを表し、それぞれが点滅している場合は、水が少なくなっていたり、なくなってしまったり、もしくは温度が規定の値に達していなかったりすることを表します。内部がどんな状況なのかが一目瞭然な点も、ユーザーにとってはメリットでしょう。
操作パネルには「エコモード」「クリーンシステム」「弱冷水」「再加熱」といったボタンも並んでいます。それぞれ静電式タッチパネルを採用しており、数秒間、触れ続けて初めて、その機能が作動します。軽くタッチしただけで反応すると誤操作に繋がる恐れもあるので、こうした点も配慮が行き届いているなと感じました。
エコモードでは、夜間など誰も使わない時間帯の電気代をセーブしてくれます。周囲の明かりが消えて暗くなると、自動的にセンサーが感知して水を温めるサーモスタットがオフに。これにより、年間20%ほどの電気代を削減できます。
cado版は、ウォーターサーバー内部に空気が入りにくい構造を採っていますが、目に見えにくいところなので、中で雑菌が繁殖しないか、やはり心配です。そんな時は、週に一度、クリーンシステムを使うとベター。温水と冷水、ふたつのタンク内の水を循環させることで熱処理するので、両方のタンクを常に清潔な状態に保てるのです。
子供のいる家庭などでは、冷水があまりに冷たすぎると、特に冬などの寒い季節、水を飲ませるのにも抵抗を覚えるもの。そんな時には、弱冷水モードが便利。通常8℃の冷水を15℃まで温めるので、常温に近い水を飲むことができるのです。一方、カップラーメンを食べたいなど不意に熱湯が欲しくなった時には、再加熱機能が重宝します。3~4分で通常80℃の温水を90℃に引き上げてくれるので、実に便利です。
「cadoがウォーターサーバーをデザインする」と最初に聞いた時、正直いって、もっとエッジの利いたパンチあるデザインになるだろうと思っていました。そのため、製品の第一印象は、ややおとなしく感じられたのも事実。とはいえ、ウォーターサーバーは長く、そして毎日使うもの。その点、人に寄り添った機能が多数盛り込まれ、使いやすいcado版は、毎日快適に使えるウォーターサーバーだと断言できます。
cado × CLYTIAウォーターサーバー
4万6656円(本体のみ/一括払いの場合)
※天然水は別途、契約が必要
(文/滝田勝紀、写真=&GP編集部)
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