■積載できるクルマは
そもそもルーフトップテントをベースキャリアに積載して大丈夫なの? そんな不安をスーリーの代理店「阿部商会」の大畑広夢さんにぶつけてみました。
大畑さんによると、ベースキャリアの最大積載量は走行時を想定しているそう。高速道路で100km/hで走行するのと駐車時では条件が違いますからね。
「ルーフトップテントに乗り降りするためにはラダー(はしご)が必要です。このラダーが柱の役割も担っていて、テントや上に乗った人の荷重がクルマとラダーに分散されます。スーリーのラボではキャリア、テントともに試験を行っていて、ベースキャリアの最大積載量の3倍まで利用できるとしています。『スーリー テプイ エクスプローラー』シリーズを載せるには最大積載量75kg以上のクルマであることが条件になります」
対応するベースキャリアは今のところ「Thuleスクエアバー」「Thuleプロフェッショナルパー」「ThuleウィングパーEvo」「旧Thule ウイングバー」です。
*他にも「クランプ式及びウィングバーエッジタイプのベースキャリアに装着不可」「装着不可のベースキャリア:754、7105、Thule ウィングバーエッジ、Thule エッジ」などいくつかの条件があります。
クルマのルーフはそれぞれ強度が異なります。いくら強度の高いベースキャリアであっても、ルーフそのものの強度が足りないと事故を引き起こしかねません。最大積載量75kgのベースキャリアがあるからといって、適合表に載ってない車両に無理矢理取り付けるのは危険なんですね。
「自作ルーフトップテントや、ベースキャリアと別メーカーのテントを取り付けている人の中には、ベースキャリアを3本に増やせばいいとする人もいますが、単純にそれでいいとは言えません。注意してください」
そしてもうひとつ、車検について。
「ルーフトップテントは屋根に固定しているのではなく、ベースキャリアに専用金具で止めています。だからキャリアと同じ扱いで、基本的に装着したまま車検を通せます」
■テントを広げてみると…
ルーフトップテントを広げるには、ラダーを使ってテコの原理を利用します。複雑なフレームを組み立てることも、何本もの張り綱をペグで固定することもなく、とっても簡単でした。
今回はシリーズの中でもエントリーモデルとなる「スーリー テプイ エクスプローラー エアー2」(29万円/税別)を試してみることに。
収納時のサイズは107×122×H28cm、重量48kg。ソフトボックスを屋根の上に載せているようなイメージ。燃費には多少影響を与えそうですが、思った以上にコンパクトです。
では展開してみましょう。
クルマが傾いているとテントの床も斜めになるので、なるべく平らな地面を選びます。また、ラダーが風上になると急な強風であおられる危険があるので、風向きを考慮して駐車位置を決めます。
カバーを外して屋根の上にあるラダーを引っ張り出し、ぐいっと地面に向けてラダーを下ろすとテントがほぼ垂直に。
あとは、ラダーを持ちながらクルマと反対方向に進めば、勝手にテントが開きます。カバーを外し始めてから3分程度でここまでできました。
ラダーの角度を調整して、ラダーの端を地面に密着させます。テントの重量をラダーでも受け止めさせるので、地面から浮くようではアウト。
ちなみにラダーと地面の角度は最低60度にします。テントの壁面と角度がそろえばいいようです。
テントの中に収納されていたゴールドのポールを取り出し、出入り口と窓に取り付けます。
テントの中にはコードが張られています。これは畳む時にテントが広がることなくキレイに収めるためのもの。宿泊時は取り外して大丈夫。
完成です。畳んだテントの上にのっているラダーに手が届ければ、驚くほど簡単に設営できます。背の高いクルマは、脚立を用意しましょう。