■機能性から操作性まで、あらゆる面でシンプル
昨今の家庭用コードレスクリーナーの“映える”デザイン・配色とは一線を画す、シンプルなデザインに、白一色(ハンドルを除く)のそっけないカラー。ボタンは「強」「標準/弱」「切」の3つだけ。しかもヘッドは、モーター式パワーブラシでもタービンブラシでもない、ただの床ブラシ。ネックは、最近出たクネクネ曲がるクリーナーのようなメカメカしくはなく、プラモデルのボールジョイントのようなもの。
こう書くとマイナスイメージですが、裏を返せば、現場で使うことを第一に考えたものなので、いかに壊れず、簡単に使えるかが大事。つまり、余分な機能をそぎ落とし、ひたすら“吸う”に特化した職人系クリーナーともいえるのです。
スイッチは、吸引力を3段階に切り替えられるだけのシンプル仕様。スイッチの上に、フィルタの目詰まりによる吸引力の低下を知らせる「お知らせランプ」が付属しています。
慣れれば気になるほどではないですが、電源オンしてすぐ作動するわけではなく、一拍置いてからスタート。
本体にはLEDランプを内蔵。スイッチ連動式で、運転中はずっと点灯しています。本体に付いているため、当然延長管を装着しているときはあまり明るくありませんが、ノズルだけのときは明るく照らしてくれます。
ブラックで唯一のアクセントにもなっているハンドルは、ラバータイプで滑りにくく持ちやすくなっています。
本体の後ろにはストラップも付いているので、フックに引っ掛けておくことも可能。
床ノズルの可動部は、ボールジョイントですが、意外にスムーズ。ブラシも付いていませんが、砂や木屑を吸い込むなら、こっちの方がさっと拭くだけできれいになりそう。
ラフに使えるので、DIYの強い味方です。今回は作るものがなかったので、木屑は掃除していませんが、出番が多かったのが、砂を吸うこと。SUP(スタンドアップパドルボード)は使用後、水で洗って乾燥させてから部屋にしまうのですが、どうしても表面素材に付着しやすいので少し砂が残ってしまいます。この砂をを吸い取るのに重宝しました。
通常の家庭用掃除機では、砂を吸うと壊れるといわれたりもするので、メインで使っているモデルでは試せませんでしたが、あらかじめ現場使用を想定しているのでためらわずに使いました。
■あまりにも素っ気ないのでステッカーチューン
最後におまけです。シンプルでいいのですが、あまりにも素っ気ないのでステッカーで飾りつけ。といってもカラフルなものだとごちゃごちゃしそうなので、ワンポイントにブラックのステッカーで仕上げました。
貼ったのは、スタンレーの“ベアロゴ”。なんとなく精悍な感じになりました。
* * *
なにはともあれ、必要な時にサッと使えるのは便利。最先端掃除機のようにオシャレでも、すごい機能が付いているわけではありませんが、とにかく気楽に使えます。
家電としてのクリーナーというよりも、まさに電動工具としての掃除する道具。バッテリーもほかの電動工具と共用できるので、DIYする人にとっては重宝します。
つまり、家事としての掃除ではなく、趣味の延長線上にある片付けに欠かせないアイテムといえそうです。
>>ハイコーキ 「マルチボルト(36V)コードレスクリーナ」
<写真・文/澤村尚徳(&GP)>
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