ノイズを打ち消すではなく重ねる!? Bose「Sleepbuds II」を装着して眠ってみた

■そもそも音楽を聴くデバイスじゃない!?

Bose「Sleepbuds II」は睡眠用に特別に作られたイヤープラグで、どこにも音楽リスニング用デバイスとは書かれていません。でも、外見や充電ケースまで含め、ほぼ完全ワイヤレスイヤホンのよう。

完全ワイヤレスイヤホンとして見た場合のイヤホン部分は、“超”が付くほど小型。片耳あたり実測値で約2.7g(イヤーピース込み)。指先に乗るくらいの衝撃的な小ささです。

本体が小さいおかげで、装着すると耳の窪みにピッタリ収まり、寝返りをうっても引っかかる心配はありません。表面の仕上げはマットで、布団などに擦れる摩擦音にまで注意を払った設計になっています。耳栓というコンセプトもあるので、遮音性もなかなか優秀。

スマホのアプリ「BOSE Sleep」を通して連携します。アプリ内にあらかじめ用意されたサウンドライブラリから“ノイズマスキング” “風景” “静けさ”などのテーマ別に用意された50のサウンドライブラリを選択し、就寝中流しっぱなしにします。ちなみに最大10時間使えます。

例えばノイズマスキングのRustleというサウンドは、落ち葉の上に雨が降るような「ザー」と「パラパラ」が入りまじったような音。Swellでは海の波打つ音、“風景”にあるWindow Seatは傘に雨が打ち付けるような音、Boardwalkは風の強い海辺のような音、“静けさ”にあるGilded Dreamは映画の朝焼けのような神々しい音。これが一晩中聴こえ続けます。

“ノイズマスキング”という言葉は、“ノイズキャンセル”とは似て非なるもの。騒音を消すわけではなく、音を重ねることで気にならなくなるというものになります。近隣からの交通などの騒音、パートナーのイビキといった不快な騒音はランダムなもので、ノイズキャンセルで対処するには限界があるんですよね。

本当にそれで眠れるのかと思いますよね。実際に装着して寝てみると…、これが良く眠れます。どんな音が流れていても、繰り返す環境音なので眠りを妨げません。周囲の音が“マスク”されるので、物音も気にならなくなって、静かな環境よりむしろ落ち着きます。

例えば、隣の部屋から漏れ聴こえてくるテレビの音声なども、マスクされると全く気にならなくなりますね。目覚めるためのアラームも設定でき、こちらも効果てきめん!

ただし1点だけ要注意ポイントが。Bose「Sleepbuds II II」は音楽デバイスではないので、音楽やその他のサウンドは聴けません。本当に「BOSE Sleep」アプリからの再生専用です。自分の好きな曲を入れることもできません。再生開始後はスマホとは通信せず、オフラインでサウンドを流す仕組みになっています。

*  *  *

ただただ一晩中、よく眠れるためのサウンドを流すことに特化したBose「Sleepbuds II」。よくよく見ると、デバイスは邪魔にならないように超小型化されているし、サウンドを流す仕組みも完全ワイヤレスイヤホンとは異なり専用設計尽くし。もし騒音が原因の眠りのトラブルに悩まされているなら、試してみる価値はあるかもしれませんね。

>> Bose

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長

 

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