さて最後に、C180ステーションワゴン スポーツに乗った感想を。
180というネーミングながら、搭載されるエンジンは1.6リッターのターボ。最高出力は156馬力ですから、C200と読んでもいいくらいです(実際のC200は184馬力の2リッターターボを積みます)。
過給機を備えたエンジンらしく、わずか1200回転、つまりアイドリング状態からほんの少しタコメーターの針が動いただけで、25.5kg-mの最大トルクを発生します。その分、出足の力強さは印象的で、街中では「ホントに“テンロク”なの?」といぶかしく思うほど。
現行Cクラスの開発コンセプトとして、よく“アジリティ(俊敏性)”という言葉が挙げられますが、確かにアクセル操作に合わせ、レスポンスよく前に出るクルマです。
かつては「走り始めは慎重に…」とばかりに、わざわざ“2速発進”をデフォルトにしていたメルセデス・ベンツですが、すっかり様変わりしましたね。それどころか、実用的なCクラス ステーションワゴンにも、走行モードを変えられる“ダイナミックセレクト”が搭載されます。
これは“エコ” “コンフォート(デフォルト)” “スポーツ” “スポーツプラス”と、エンジン、トランスミッション、ステアリングのパワーアシストといった設定を変えられる機能で、好みの走りを選べます。
といっても、Cクラス ステーションワゴンを峠で振り回し、サーキットの走行会に持ち込む人はどれだけいるでしょうか?…
個人的には“コンフォート”のままで全般的に不満を感じなかったくらい。この機能を省いて価格を抑えて…という望みは、アジリティを売りにする最新のメルセデス・ベンツには、そぐわないのかもしれませんね…。
<SPECIFICATIONS>
☆C180ステーションワゴン スポーツ
ボディサイズ:L4730×W1810×H1450mm
駆動方式:FR
エンジン:1595cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7AT
最高出力:156馬力/5300回転
最大トルク:25.5kg-m/1200〜4000回転
価格:584万円
(文&写真/ダン・アオキ)