いま買うなら“2気筒の一択”と実感!痛快な個性派バイク5選

 毎日乗れる、毎日楽しめることの素晴らしさに気づく!
 >>トライアンフ「ストリートツイン」

トライアンフ ストリートツイン

これからバイクに乗ろうという方に進言させていただくと、バイクのサイズと出動回数は反比例します。

いくら好きでも、デカいバイクは駐車スペースから引っ張り出してきて乗り出すのが大変。ワタクシかつて、ハーレーダビッドソンの「ストリートグライド」に乗っていましたが、乗るのは多くて月に1度程度。年間12回とすると、2年車検ごとに24回しか跨っていないことに(汗)…。今でもストリートグライドは大好きですが、それに劣らず大好きなBMW「R1200GS」に触手が伸びないのは、過去のそのような経験が邪魔するからです。

そんな大型バイクの“あるある”を払拭してくれる、毎日乗れるほどコンパクトでカジュアル、おまけに軽快なのが、トライアンフの新作「ストリートツイン」です。

モダンクラシカルなトライアンフへの憧れは止みません。「ボンネビル」はそんな憧れに応えてくれる筆頭のモデルですが、このストリートツインは、ボンネビルのスタイリングを上手に拾ってるんですよね。それでいて99万9500円! オイシイでしょ?

ストリートツインはしかも“バイクらしいバイク”。取り回しがラクで、何もかも素直に動いてくれて「毎日乗っていたい! ずっと乗っていたい!」って思っちゃうくらいの気持ちの良さ、ちょうど良さがあります。

900ccのパラレルツインは、下からトルクがシッカリと出ていて、扱いやすさ満点。これだったら通勤に使おうかな? と本気で思えます。革のライダースジャケットを着て乗ってもいいし、カジュアルにフーデッドパーカーでもいいし、スーツを着てもサマになりそう。乗り手のスタイルを問わない、主張し過ぎないスタイルにLOVEなんです!

 

 ハーレーの本気が爆発したスペシャルモデル
 >>ハーレーダビッドソン「CVOプロストリートブレイクアウト」

Harley-Davidson CVOプロストリートブレイクアウト

念のためにいっておくと、現在の(新車で買える)ハーレーには、冒頭で書いた“不整脈のようなアイドリング”がないのはもちろん、いわゆるドコドコした鼓動も控え目。不等間隔で点火するVツインの素性はそのままに、回転の滑らかさをとても大切にしていて、エンジンのキャラクターはイメージするよりずっとスムーズになっています。

中には、これにガッカリする人もいるくらいですが、ある意味、正常なのです。味が濃いものが欲しい時はありますが、毎日食べると飽きちゃいますからね。

そんな事実に「ふむふむ、だよねぇ…」なんて物分かりのいい素振りをしてみせる自分の後頭部をヒッパタイてくれたのが「CVOプロストリートブレイクアウト」。CVOとは“カスタム・ヴィークル・オペレーション”の頭文字で、ハーレー自らがカスタマイズした特別なモデルであることを示しています。

ハーレー純正のチューニングブランドによる“Twin Cam110B”(排気量110キュービックインチ=1801cc)エンジンは、不注意にも軽めのスロットルをクィッとひねってしまおうものなら「ドギャギャギャギャ!」という圧倒的な爆裂を伴って加速。遠いドラッグハンドルバーにしがみつきながらスロットルを緩めるという“E難易”をこなして、な、なんとか生還…。ヤバかった、まじチビります(涙)。

我が道ならぬ、王道を行くハーレーですが、時には確信犯的に王道を外してくるのも、これまたハーレーなのですね。いや、ハーレーの本性は、やっぱりこっちなのだな、と思える、ヤバいドラッグスターモデルなのでした。原稿を書いてるだけでも喉が渇きます…。ちなみに価格もスペシャルで、339万円と、これまた圧倒的です!

 

 重量を減らすのではなく、重量物を中心軸に集めたモタードマシン
 >>ドゥカティ「ハイパーモタード 939」

Ducati Hypermotard 939

1周のサーキットトラック内に、アスファルトのオンロードセクションと土のオフロードセクションを設けて速さを競うのが“モタード”。マシンは、モトクロッサーを基本としつつ、オンロードパターンのタイヤに履き替えたスタイルとなり、そのスタイルは一般的に、モタードと呼ばれるようになりました。

そんなモタードをイタリアのドカティが解釈したらどうなるのか? その答えがこの「ハイパーモタード」。リアルな競技に出るかどうかはさておき、このハイパーモタードの美点は、重量物を徹底的にライダーの運動軸へ寄せ、慣性重量をこれでもか! というくらい抑えていることにあります。

そのため、挙動がとってもスイスイ。決して重量は軽くないはずなのに、スペック以上に軽く感じるのです。そこへ、ドゥカティ伝統の“デスモドロミックL型ツイン”エンジンのパンチとビート感が伴って、ひと言でいえば過激。交差点をひとつ曲がるたびに「バイクって面白い! ドゥカティってヤミツキになる!!」と思わずにはいられません。

ちなみにデスモドロミックとは、ドゥカティ独自の動弁機構のこと。バルブを動かすのにタイミングベルトではなく、シャフトやギヤなどの機械部品を使っています。そうすることで、高回転域でもバルブの制御が緻密になるメリットがあるんですね。価格は156万9000円です。

(文&写真/ブンタ)

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