■シェルターみたいな使い方もあり
前パネルは二重構造になっていて、大きく広がるのがキモ。設営時に内側になっているパネルは、ファスナーでさらに半分に分割できるので、設営のバリエーションが多彩なんです。
通常の四角いフロアのワンポールで全閉、片側張り上げ、日陰が増える両側張り上げの3通りを試してみました。
寝るときはこのように前方ファスナーを閉じます。よくあるワンポールテントのシルエットです。サイズは240×240×H150cm、インナーは220×100×H135cm。インナーにローコットを入れるなら、後ろ側から入れるとメインポールが干渉しません。
前パネルの片側張り上げると個性的なシルエットになり、開放感が生まれます。
どのぐらいの広さなのか、試しにogawa「ハイアンドローコットワイド」を入れてみました。
ハイではかなり中央寄りに置く必要があります。ローにしないとデッドスペースがもったいない!
よくあるキャノピーでのくつろぎシーンを再現。ヘリノックス「チェアツー」だとサブポールの脇でないと頭がついちゃいますが、片側が上がっているので圧迫感はありません。もちろん、もっと内側に入ればチェアに座ってくつろげますが、荷物が多い人は動きがかなり制限されます。
前パネルの両側をつなげて張り上げるとシェルターっぽい雰囲気。チェアに座るとかなり圧迫感がありますが、プライベート感は抜群。パネルが広がった分、室内は広くなるので雨や風のある日に引きこもるのにいいでしょう。
全閉にすると前パネルのファスナーが遠く、あまった布が邪魔。縫い目や力のかかる部分がやや甘いなど微妙なところもありますが、設営バリエを考える楽しみがあります。それにコスパがいいのでためらわずにカスタムOK。
そのままでも当たり前に宿泊できますが、編集部でも「カスタムするならどうしよう、こうしよう」とアイデアが出ていました。
「ソロティピー1 TC」には、完成度の高いテントにはないワクワクがある。これが大きな武器だと言えるでしょう。
>> バンドック(カワセ)
ソロ ティピー 1 TC
●サイズ(組み立て時):フライ/約2400x2400x1500mm インナー/約2200x1000x1350mm
●サイズ(収納時):約440x240x240mm
●同梱品:フライシート、インナーシート、インポール、サブポール、ペグ×14本、ロープ×5本、コンプレッションベルト付収納ケース
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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