電熱ヒーター、レイヤーシステムetc 話題の最新シュラフ5つを試してみた

1. 2つの寝袋でオールシーズン対応

スナグパック「ベースキャンプ スリープシステム」(1万5180円)

重量:3.2kg(外側1.4kg、内側1.75kg)
収納サイズ:φ30×50cm
快適使用温度:−12℃(外側3℃、内側−2℃)
中綿:シリコーン加工ポリエステル中空繊維(アイソファイバー)

各国の軍が制式採用するタフなものづくりが自慢のSnugpak(スナグパック)。イギリス生まれのブランドですが、「ベースキャンプ スリープシステム」は日本のキャンパーのために作られたスペシャルモデルで、デザートタンカラーの「ノーチラス スクエア ライトジップ」とオリーブカラーのフードなし「マリナー封筒型」のセット。単体モデルの「ノーチラス スクエア ライトジップ」が6820円、フード付きの「マリナー スクエア」が8690円で、そもそも単体モデルにはない特別カラーでまとめて収納できる袋付き。バラバラで購入するよりも断然オトクなプライスです。

イギリスの製品によく見られる、巾着に十字のコンプレッションベルトが付いている収納袋に入っています。コンプレッションベルトをバランス良く縮めるにはセンスが必要で、気にし始めると“イーッ”てなりますが、見た目を気にしなくていいなら素早く小さくできます。

ボディは封筒型なので脚も肩もゆったり。2枚重ねなので封筒型1枚に比べると窮屈になりますが、それでも関節の曲げ伸ばしは楽です。肩口とフードはドローコード付きなので、寒い時期はギュッと絞ることで冷気の侵入を防ぎます。

内側の「マリナー封筒型」は重ねたときにもたつかないよう、単体モデルよりも幅が3cmほど狭くなっています。それでも幅は77cmもあります。一般的なキャンプ用シングルマットが幅60〜70cmですから、そのゆったり具合がわかります。

▲外側になる「ノーチラス スクエア ライトジップ」

▲内側になる「マリナー封筒型」を全開にした状態(下は「ノーチラス スクエア ライトジップ」)

それぞれ封筒型寝袋として単体で使えます。春・秋は外側の「ノーチラス スクエア ライトジップ」、夏は「ノーチラス スクエア ライトジップ」を全開で。晩秋は「マリナー封筒型」、冬キャンプではふたつを組み合わせるという具合にこのセットだけで1年中使えるというわけです。春や秋は余った「マリナー封筒型」を広げて背中側の冷え対策にするなんてこともできます。

すべりのいい生地ですが、ファスナーで連結するので潜り込むときに内側の寝袋がずれることはありません。重ねると肩口の中綿が増えるのもいいですね。

コスパ良好で、キャンプや車中泊をはじめたいけど予算が限られている人も安心です。

>> スナグパック

 

2. 3か所の熱源で入ったときからポカポカ

ニュートラルアウトドア「ヒートシュラフ」(9900円)

重量:2kg
収納サイズ:φ25×40cm
快適使用温度:5℃(限界温度:-10℃、ヒートモードなし快適使用温度15℃・限界温度0℃)
中綿:ポリエステル

昨夏のファン付きウエアに続き、この冬はモバイルバッテリーを使うベストやインソールが人気ですが、ニュートラルアウトドアより待望の電気ヒーター機能付き寝袋が登場しました。

快適使用温度15℃の夏用マミー型寝袋ですが、首、腰、足元という冷えを感じやすい部分にパネルヒーターを内蔵していて、これひとつで外気温5℃くらいまで心地よく眠れるというもの。気温にあわせて寝袋を変えたり、中に詰め物をしたりといったひと手間が不要です。

巾着タイプの収納袋は、十字形のコンプレッションベルト付き。ギュッと絞ればもっと短くなります。

スイッチを入れて5分ほどすると、パネルヒーターを搭載した位置がじんわり温かくなります。寝袋は足先がなかなかあたたまらず、冬はそれがとてもつらいんですがヒーターのおかげでポカポカ。

ヒーターを使ったときの快適使用温度は5℃で限界温度は-10℃。氷点下だとさすがにこれひとつで眠るのは厳しく、薄手の寝袋を組み合わせる必要がありそう。とはいえ、ヒーターを先につけて寝袋を温めておけば、寝袋に入った瞬間のヒヤッとした感触が軽減されるのはうれしいですね。

手持ちのモバイルバッテリーを寝袋側のコードにつなげて、電源ボタンを長押しします。バッテリーを収めるポケットもあります。

赤い点滅が青い点灯(低温モード)になったら準備完了。

バッテリー容量や使用環境によりますが、10000mAhのバッテリーの場合、低温モード(青色点灯)で40〜45℃/7時間、中温モード(緑で点灯)45〜50℃/5時間、高温モード(赤い点灯)50〜55℃/3時間が目安。10000mAhのバッテリーを使えば低温モードで一晩中使えそうですが、冷え込み具合によっては一番寒い明け方に電気が切れるかも。10000mAhより容量の大きいバッテリーを用意し、念のため薄手のブランケットを近くに置くと安心です。

なお、「ヒートシュラフ」を水に漬けて丸洗いできないので、汚れ防止と低温やけど防止のためにも肌着は不可欠。

さらに足と腕を外に出して自由に歩けるお出かけ機能も搭載。足元を持ち上げて面テープで引っ掛けられるので土汚れがつきにくくなっています。

冬は眠くても寝袋に入った瞬間のヒヤッとした感触で頭が冴え、体も緊張してしまいますが、温まった寝袋に入ればすぐに眠りにつけます。これが「ヒートシュラフ」のメリット。

しかも、電気毛布とは違って「ヒートシュラフ」は体をすっぽり包んだまま自由に歩けますよ。

>> ニュートラルアウトドア

 

【次ページ】革新的な構造で暖かさと快適さを両立

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