「Sky Magic」とは、“小型の無人航空機ドローン”と“照明などで使われるLEDライト”を組み合わせ、LEDで発光した複数のドローンの動きと光を音や音楽に合わせて自動制御しながら飛行することにより、空間をデザインするサービスとのこと。会場では富士山の麓で撮影したという、20台を超えるドローンと津軽三味線の音楽によるコラボレーション映像が流れ、来場者を圧倒!
MIDIコントロールされた1万6500個のライトが一斉に空間をデザイン。圧巻のパフォーマンスに、会場が息を呑んだ。しかし、もはやドローンというよりUFO?
ステージ演出で利用されているDMX512を搭載することで、通常の音響や照明に加えてドローンの動きとLEDの光を一連で管理制御することが可能だという。映像が流れたあとには、再びドローンと津軽三味線の生演奏によるパフォーマンスが行われた。
高城氏は、本プロジェクトに“Magic”というワードを使った理由として、『2001年宇宙の旅』の原作者で知られるSF作家、アーサー・C・クラークの「最先端のテクノロジーと魔法は見分けがつかない」という言葉を引用。ドローンを使って、空に新しい魔法をみせていく、それが「Sky Magic」だと語った。
「アニメーションでもいいから理想だけを追求しようと、CGで架空のものをたくさん考えました。そして現実的なところはどこなのかと、1年くらいをかけていろいろなプロトタイプを作ったんです。その中で生まれたのが、先ほどの映像の筐体です」
「この筐体は一台に660個のLEDがついていて、それが音楽ソフトと完全に同期します。自由に手元のコントローラーで動かすことができるわけです。今は20数台でも、理論上は無限大に飛んで行くんですね。複数の筐体を同時に空に飛ばすことが可能で、(ドローンの)大きさも自由にすることができます。映像では、一番汎用型の30cmくらいの筐体を使用しています」
「だけど、もっと小さくすることも大きくすることも可能です。200g以下で新しい光るドローンができれば、渋谷の交差点の上で、東京駅前でこのパフォーマンスは可能となります」(高城氏)
ドローンは墜落しても壊れないようにカーボンファイバーで覆われている設計。LEDはカーボンファイバー上に取り付けられている。イベント会場・フェスティバル会場・花火大会・ファッションショー・コンサート・球場やラグビー場などの大型スタジアムや、テーマパークなどにおける既存の演出に合わせて「Sky Magic」を利用することで、発光した複数のドローンによるロゴやオリジナルの文字や形、動くなどといった展開をプロモーションとして利用できるようになると高城氏はさらに話した。
さらに高城氏は、「今から3年ほど前、『もうじきカメラが空を飛びますよ』と話しても、聞く耳を持つ人はほとんどいませんでした。だから、いま一度お話したいと思います。もうじき情報ディスプレイがフレームから飛び出て、空を飛びますよ」と話し、発光ドローンをスクリーン代わりにする将来の展望を発表。
つまりテレビの仕組みと同じく、1台1台のドローンをRGB(レッド・グリーン・ブルー)の粒に見据え、数千台をコントロールすることで巨大な「空飛ぶスクリーン」が実現可能だとした。
こちらはドローンがつくる未来をイメージしたという、「Sky Magic」のコンセプトムービー。
https://vimeo.com/163195837
「僕が強調したいのはシンクロナイゼーション。既存の照明、レーザー、音楽、プロジェクションマッピング、あらゆるものとシンクロし、一番先にあって空を飛ぶものがこれ(Sky Magic)だと思っています。ですから、今までとは違ったプレゼンテーションをプロジェクションマッピングなどでできると考えています」。そう高城氏は締めくくり、ドローンを使った新たなサービスの可能性を提示した。
(取材・文/三宅 隆)
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