雰囲気抜群!オピネル「フォールディングノコギリ」とミニノコギリ2本で薪を切り比べてみた

■3本のミニノコギリで薪を切った

個人的に見た目は100点のオピネルですが、切れ味はどうなのか? ほかのミニノコギリとの違いはあるのか? 手持ちのOLFA WORKS「替刃式フィールドノコギリ FS1」(2200円)と、シルキー「ポケットボーイ 万能目 130」(3190円)で比べてみました。

サイズはだいたい同じで、写真上から、OLFA WORKS「替刃式フィールドノコギリ FS1」、シルキー「ポケットボーイ 万能目130」、オピネル「フォールディングノコギリ #12」です。

OLFA WORKSは、いわずと知れた折る刃式カッターを生み出したメーカーOLFAが、昨年立ち上げた新ライン。ノーマルバージョンはイエローが基調ですが、こちらはアーシーカラーをまとったフィールド仕様です。替刃式。

シルキーは、“世界一の切れ味”をうたうノコギリ専業メーカー、ユーエム工業のブランド。ポケットボーイは、目的に応じて荒目、大工、DIY、カーブ、細めなどが用意されています。こちらも替刃式。

順番が入れ替わってしまいましたが収納状態です。シルキーとオピネルが折り込み(折りたたみ)式で、OLFA WORKSが繰り出し式。ロックする機能はそれぞれ異なります。

シルキーとOLFA WORKSは、ボディがラバー仕様なので手にしっかりと吸いつき、グローブを着用しても滑りにくくなっています。

今回の中で一番刃の厚さがあるシルキーの「ポケットボーイ」。刃渡りは130mmで、目が大きいので薪の角に刃が引っかかって切り始めはちょっと時間が掛かりますが、一度刃が入ってしまえばあとはスムーズ。

切断している時の安定感は抜群で、断面が一番きれいでした。

今回の中で一番刃厚が薄く、目が細かいOLFA WORKSの「フィールドノコギリ」。切り始めから刃が一気に薪に食い込み、ぐんぐん切れます。ただ目が細かい上に、刃渡りが106mmと短いため、小刻みなストロークが必要。太い木を切る際は、大きい刃のタイプよりも時間がかかる印象です。

また、刃が薄いため引っかかるとしなり、折れることがあるので注意が必要。すでに1枚折ってしまったため、今回の刃は2枚目です。

刃渡り約125mmで、刃の厚さは2つの中間くらい。切りやすさも中間で、切り始めはOLFA WORKSに次ぐ刃の入りやすさで、切っている時のストロークの大きさはシルキーの次。切れ味に個性は感じられませんが、よく切れます。

機能面での難点をいえばやはり、グローブをはめた場合ほかの2つに比べて若干滑りやすいところでしょうか。ただ、このウッド製のハンドルがブランドの証。オピネルにはポリアミド製ハンドルのナイフもありますが、食指が動きません。ウッドハンドルだからこその情緒的価値を持っているというべきでしょう。

ちなみに今回切ったのは、焚き火の際の安定燃焼に使う広葉樹の薪。密度が高くて火持ちがいい分、硬くて切るのに手間がかかります。

試し切りをしたのは、長辺で約7.5cmほどの広葉樹と直径約3cmの枝。薪の断面に、よく見ると線が入っているのが分かると思います。ミニノコギリは刃渡りが短いので、何ストロークもしなければ切れません。切っている最中に手を止めたり、ノコギリがぶれると跡が残ります。だいたい薪で約100ストローク(往復)、枝で約25ストロークくらいでした。3cm程度の乾燥した枝であれば、あっという間に気持ちよく切れます!

■ひと手間加えるだけで愛着が湧く

OLFA WORKSの「フィールドノコギリ」にはあらかじめカモ柄風のパラコードが付いているし、せっかくハンドルに穴が空いているのでストラップをつけました。

同様のパラコードをと思いましたが、オピネルの穴は小さく、雰囲気にも合わないので革紐をつけて完成。ウッドハンドルにぴったりで、これだけなのに愛着増し増しです。ついでに、シルキーにも目立つように赤い4mmのパラコードを通しました。

※  ※  ※

これまでミニノコギリは持っていましたが、出番が少なく普通のノコギリを使っていました。今回使ってみて改めてわかったのは、取り回しの良さと切れ味の鋭さ、そして使うシーンを選ぶということ。

通常のキャンプではあまり出番はないかもしれませんが、コンパクトな装備で楽しむ野営やブッシュクラフトには重宝します。

そしてオピネルの「フォールディングノコギリ」ですが、すっかりお気に入り。ハンドルがいい色になるよう、意識して出番を増やしたいと思います。

>>オピネル「フォールディングノコギリ #12」

<文・写真/澤村尚徳(&GP)>

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