■片耳だけでも使える
気になる“ウルトラノイズキャンセリング”ですが、製品説明を見るとイヤホンの外側と内側に配置した2つのマイクで周囲の音を検知し雑音を除去となっています。この機能を見ても「LIFE A2 NC」は高機能路線に進んだモデルと言えますね。
耳の中にしっかりと入りフィットする部分と、ドライバーや基盤が入った部分の2層構造。背の高いデザインで装着すると耳から浮かび上がる構造ですが、つや消しの表面仕上げなど洗練されていて、高級感すら漂います。本体重量は実測値で6.4gでした。ちなみにIPX5と雨濡れ程度までの防滴には対応しています。
フィット感もかなり強力。元もと耳栓のように深く挿入する構造になっている上に、イヤーチップがXS/S/M/L/XLが付属。さらに耳に軽く引っ掛ける形でフィットをサポートするイヤーウィングもS/M/Lと3サイズ交換可能。パッケージングの豪華からも「LIFE A2 NC」が高級路線と分かります。
再生時の操作はイヤホンのタッチセンサーで行います。再生/停止、曲送り/戻し、外音取り込みの切り替えなどを操作可能。ちなみに操作は、イヤホンだけでなく“SoundCore”アプリの併用も推奨していて、アプリからカスタマイズすることで音量操作も可能です。
バッテリー性能は、通常モードで最大7時間再生、ノイズキャンセルモードで最大6時間と標準的。充電ケース込みで最大35時間再生。充電ケースは小型なので持ち歩きにはピッタリです。
気になる“ウルトラノイズキャンセリング”ですが、外出自粛のため自宅内でテスト。切り替えはOn/Offのみボタン操作でき、アプリからは“交通機関” “屋内” “屋外”と3つのモードを設定できます。エアコンや生活音の聞こえる室内でいろいろとテストしてみたのですが、全体的に一番強いのは“交通機関”。カフェや雑踏といった場での人の声などは“屋内”でボリュームダウンしてくれそうですが…優秀というほどではないかも。でも一定の効果は確認できました。外音取り込みも“全ての外音”と“音声フォーカス”の設定が可能です。
通話マイクはノイズリダクション機能搭載の6マイク仕様。Macとペアリングをして実際にZoom会議で試してみると、声をクリアに情報量豊富に拾ってくれて高音質。隣の部屋の話し声やテレビ音声も比較的クッキリ拾ってしまうタイプです。ちなみに、充電ケースから片耳だけ取り出すとモノラルモードとして使えるので、通話用ならモノラル運用というのもアリ。
■ドンシャリかと思いきや…
iPhoneとペアリングして音質をチェックしてみます。
宇多田ヒカル『あなた』を聴いてみます。女性ボーカルの歌声は少しキンとして響きが付いた高域。それと共にボリューミーな低音が共存する展開的なドンシャリ系。低音が少し強過ぎと思いきや、音量小さめで聴くと低音もズンズンと適度に存在感がありバランスがいい感じに。BrunoMarsの『24K Magic』では、空気を振動させるようような重低音と歯切れ良い高域がマッチしています。
ただこれ、あくまでデフォルト設定のお話。“SoundCore”のアプリを利用すると8軸のイコライザで音バランスを調整できて、脱ドンシャリも簡単にできますよ。
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“ノイキャン”対応の完全ワイヤレスとして紹介しましたが、注目ポイントはノイキャンだけではないですね。装着感もよく作り込まれているし、アプリ機能も充実しているし、通話マイクも優秀で、モノラル運用も可能。音質もカスタムできると、もう何でもできちゃうオールラウンダー。これで1万円以下はハイコスパです!
>> Anker「Soundcore Life A2 NC」
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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