■「ルンバi7+」はいいけど高すぎる、という声に応えて誕生
日本のロボット掃除機市場で7割超のシェアを誇るアイロボット。巣ごもり需要もあいまって2020年の対前年比売上高は20%のプラス成長となり、2020年12月までのロボット掃除機「ルンバ」と床拭きロボット「ブラーバ」の国内累計出荷台数は400万台を超えています。
ただ一口に「ルンバ」といっても、性能によって価格が大きく異なります。たとえば今、ルンバの中でもっとも売れているのが「ルンバe5」(4万9800円)。壁を検知したら方向転換するというシンプルなモデルですが、吸引力もそこそこあり、間取りが複雑でない家なら問題なく掃除できます。私も試用してみましたが、「この性能で5万円を切るルンバが出るなんて」とコスパの良さに感動したものです。
一方、2019年に発売された「ルンバi7+」は、吸引力が格段に上がっただけでなく、カメラを搭載して家の間取りを学習したり、ダスト容器に溜まったゴミを自動でゴミを吸引するクリーンベースが付属するなど、超ハイスペック。間取りが複雑な家でも隅々まで掃除してくれるうえ、掃除が終わるたびに行っていたゴミ捨ても不要になり、まさに「完全に任せられるロボット」になりました。
なので「掃除の手間から解放されたいなら、ルンバi7+を買うべし!」と声を大にして言いたいところですが、ポンッと出すのは難しい金額。いいのは分かるけど、値段がね……。そんな声に応えて誕生したのが、「ルンバi3+/i3」というわけです。
ちなみに価格は「ルンバi3+」が9万9800円、「ルンバi3」が6万9800円。「+(プラス)」表記があるものには、ダスト容器のゴミを自動で吸引するクリーンベースが付属します。このクリーンベースがあるかないかで、掃除の快適性は大きく変わるので、今回は「ルンバi3+」を使わせていただきました。
■カメラ非搭載により10万円以下の価格を実現
「ルンバi3+」がどのような位置づけになるかは、現行モデルの一覧表を見ていただくと分かりやすいかもしれません。
もっとも高機能なのが、左端の「ルンバs9+」ですが、これは18万円超えのプレミアムモデルのため、今回はあえて「ルンバi7+/i7」との違いを確認します。「ルンバi7+/i7」にあって「ルンバi3+/i3」にないもの。それはカメラを使って自己位置を認識する“vSLAMナビゲーションシステム”です。
これによって「ルンバi7+/i7」は、家の中の環境をマッピングして間取りや家具を記憶、認識します。そのため複雑な間取りでも効率的に掃除でき、掃除したい部屋を指定したり、汚れた場所をピンポイントで掃除したりもできるのです。
一方、「ルンバi3+/i3」はカメラを搭載していないため、間取りを記憶することはできません。ただしフロアトラッキングセンサーやジャイロセンサーなど複数のセンサーが移動距離を把握しながら移動するため、カメラを搭載しなくても複数の部屋を移動して規則正しく掃除できるとしています。
それ以外の機能、例えば2本のゴム製デュアルアクションブラシを搭載し、従来モデル(ルンバ671)の10倍ゴミを吸い取る吸引力や、スマートフォンの専用アプリと連携して、清掃した場所をマップで確認できるなど、評価の高い機能はそのまま踏襲。「ルンバi3+」であれば、ゴミを自動で吸引するクリーンベースが付属します。