■チタンポットと合わせても254g!
チタンにこだわるトークスなので、ウッドストーブも、ストーブがぴったり収まるポットもすべてチタン。軽いうえに熱でのゆがみもごくわずかで長く使えます。
収納時のサイズはφ90×H95mm、重量151g。トークスの「チタニウムポット POT-750」(5830円 φ95×H110mm)にすっぽり入る大きさです。
本体は6インチ程度のスマホ並、ポットと組み合わせたときは7インチタブレット程度の重さと考えれば、気軽に持ち歩けることを実感できるのでは。
本体は3つのパーツに分かれています。左のロゴ入りが一番下の外側の筒。中央が内側の壁になるパーツ。これのみ空気穴がたくさん空いた底が付いています。上部がゴトクになるのが一番右側の筒です。
■組み立ては1分もかからない
キャンプギアに限らず小さな道具は、使えるように組み立てるのが大変だったりします。アウトドアで使う道具の場合、寒さや雨の中で使うこともあるので、できるだけ素早く組み立てや撤収できるものが望まれます。
「ソロBPウッドバーニングストーブ STV-12」のパーツはわずか3つで、バネなどの可動部も取り付けのためのネジ穴もなく、ただ順番に重ねるだけ。
まずはゴトクになる筒の中に内壁となるカゴをいれます。
それをベースとなるロゴ入りの筒に載せるだけ。ものの数秒で完成します。
一番上の筒がややすぼまっていて、内壁を作るカゴは抜け落ちないしズレることもありません。さらに、ロゴ入りの筒が内カゴをピタッと抑えるので、組み立てた後は、ロゴ入り筒をつかんで持ち上げても安定。蹴り倒さない限り崩壊しません。
■二重壁のおかげで勢いよく燃える!
小枝を集めて火種とともに入れ、本体があたたまってくると勢いのある炎となります。煙突型と二重壁というダブルの効果を実感できます。
筒の中を見ると、カゴの内壁には熱風が噴き出す穴がズラリならんでいることがわかります。全方位から噴き出すようになっているのが頼もしいですね。
内カゴの底はパンチングされた穴が並んでいます。セットすると外側の筒よりわずかに上がっていて、地面に着くことはなく底からも空気を供給しやすくなっています。
ただ、その空間は1〜2cm。地面に熱は伝わるし、灰がたまるとこの穴をふさいでしまいます。
二次燃焼タイプのウッドストーブは、薪を燃やし尽くすので灰が残りにくいと言われていますが、これは少々コツが必要。
いろいろな薪で試したところ、小枝を燃やし続けている時には灰がたまって目詰まりしやすいのですが、太めの薪を燃やしたときは灰があまり出ませんでした。
小型ウッドストーブは、小枝を燃やし続けて「言うほどでもないな」とがっかりしがちですが、熱がたまったら少し太さのある枝や薪を入れることでその燃焼効率の高さを実感できますよ。
高さのある煙突型なので、最初の着火はちょっととまどうかも。下に火種を入れたいのに、下部には穴がありません。着火したマッチを底に落としても途中で消えるなど、下に置いた焚付に火が着きにくい…。
結局、太めの薪と小枝を入れたら、焚付を載せて火を付けるという素直なやり方で、問題なく着火できました。太めの薪を一緒に入れているので、あとは放置するだけです。
長い薪を入れると倒れる心配があるので、長さを調整する手間はかかります。でも、火力も安定感も十分。普通の焚き火台とは構造が違うので、焚き火経験があっても、どうやれば炎が安定するのか、どんな薪がよく燃えるのかを考えながら試すおもしろさがあります。
最初は煙が出ましたが、通常の焚き火よりも煙は少なく、燃え残りが驚くほど少ないので後片付けは簡単。密閉容器に移し替えて途中で消火するようなときも、チタン製なのですぐに冷えて片付けに取りかかれます。
* * *
軽量、コンパクトで持ち運びがラク。小枝だけでは湯沸かしすらままならず、使い方のコツを知るまで試行錯誤することになりますが、それがおもしろい道具です。
>> TOAKS(スター商事)
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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