【ジャガー XEディーゼル】新心臓でスポーティな走りが進化:岡崎五朗の眼

ジャガーのXEは、先頃レポートした「XF」よりもひと回りコンパクトな、ジャガーのエントリーモデル。XEのデザインは、兄貴分のXFとよく似ている。そうはいっても、XEの発売時期はXFより先だから、XFがXEに似ている、といった方が正解なのかもしれないが…。

いずれにしても、モデルごとに異なる個性を与えるのではなく、チームジャガーといった“群”で特徴をアピールしていくのが彼らの戦略であり、見るほどに魅力度が増していくタイムレスなデザインも、両モデルに共通した美点だ。

単独で眺めると「どっちだったっけ?」となりがちなXEとXFだが、当然ながら並べてみると、サイズ感はかなり違う。またプロポーション的にも、XEはコンパクトなキャビンがグッと後退していて、よりスポーティに感じる。BMWはスポーティさが自慢のブランドだが、XEは現行の3シリーズよりも明らかにスポーティで、パーソナル感が強い。

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古いジャガーファンの中には、この2台に対し「“ブリティッシュネス”がちょっと足りないのでは?」と感じる人も多いだろう。確かに、XEもXFも“ツイードのジャケットを着た初老の紳士が似合うクルマ”ではない。しかし、そういう要素を現代のジャガーに求めるのは、レクサスにフジヤマ芸者テイストを求めるようなもの。

事実、ジャガーはXEの前身に当たる「Xタイプ」を、自ら“失敗作”と公言している。Xタイプは、ジャガーがフォードの傘下だった時代に発売したモデルで、フォード「モンデオ」というFF大衆車に“クラシックジャガー”を模したボディを被せたクルマだった。

しかし、ジャガーが本当に作りたかったのは、そういった表面的かつ、カビの生えたようなブリティッシュネスではなく、磨き込んだ中身と、最新のトレンドに沿った本物のモダン・ブリティッシュネスだったのだろう。そこを追求してこそ、創業者サー・ウィリアムス・ライオンズが示した「美しくあれ、速くあれ」というブランドDNAを守ることにつながるのだ、と。

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実際、XEはXFと同様、ボディ全体の75%をアルミ化するなど、最先端技術を駆使してイチから作られた。ハンドリング特性に大きな影響を与える前後重量配分は50:50を実現。エンジンも“INGENIUM(インジニウム)”と呼ばれる新設計の直4ターボを採用し、パワーと燃費の高次元での両立を狙った。

INGENIUMユニットのラインナップは、180馬力のディーゼルと、200馬力&240馬力のガソリンという計3種類で、このほかトップグレードには、スーパーチャージャーで過給する3リッターのV6(340馬力)を用意する。

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 ■鼻先の軽さがXEのスポーティな走りにマッチ

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