■この斧、どうやって使おう…
斧と言っても全長が17.5cmしかありません。重さも500gちょっと。
振りかぶって木を叩いてみても薪を割ることは到底できそうにありません。もちろん、木に凹みを付けたり、枝を折るなどの作業はできると思いますが、薪割りをするには別途ハンマーが必要です。
木材に斧をあてがい、それをハンマーで叩く。
これがこのサイズの斧の正しい使い方のようです。つまり、楔(くさび)のようにして使います。斧だけで叩いていた時は全然割れなかった木も、ハンマーで叩けば一撃で割れます。
ただし欠点も。ハンドル部分に収納されているツール類を留めるためにボルトが使われているのですが、斧使用時にツールに打撃を与えていると、いつの間にかボルトが緩んで飛んでいってしまいました。元々緩んでいた可能性があり、ちゃんと確認しなかったのも問題なのですが、実に残念。せめてネジロックのようなもので留めるか、緩まない工夫があるといいなと思いました。
■画期的なようで謎の多いプライヤー
先端部には溝が切ってあり、ワイヤーを摘まんだりした時も滑りにくい加工が施されています。割った薪をワイヤーで縛る時などに便利。
レンチ部分は工具として考えるとちょっと大雑把で使い難いですかも。いかんせん、斧が邪魔(笑)。細かい所に入らないので、使える場所を探す方が難しい。どちらかと言えば、少し太目の枝をつかんで折ったり、焚き火の枝をつかむトング代わりなど工具以外の使い方がベターかもしれません。
問題は、ワイヤーカッターです。全然切れません(笑)。嚙み合わせが悪いのか、ワイヤーは曲がるだけで切れませんでした。ワイヤーの太さによるのかもしれませんが、せっかくプライヤーで縛ったワイヤーを切ることができず困りました。
■枝を切るには充分なノコギリ
ハンドル部に収納されているノコギリは、一般的なマルチツールに付いているものと同じ程度のサイズです。枝を切るには充分なものだと思います。
■ナイフは研いでから使おう
刃渡り約7cmの直刀ナイフ。これもマルチツールとしては標準的なサイズ感ですね。切れ味は、購入した状態ではあまり良くないので、研いでから使った方がいいですね。
■そこそこ重さがあるハンマー
斧の反対側がハンマーになっているので、これで地面に打ち込めます。柄は短いですが、重量があるので余程地面が硬くなければ使えると思います。
ノコギリで切った枝をナイフで削ってペグを作り、ハンマーで打ち込んでみました。このようにツールに搭載された機能でブッシュクラフトの真似っぽいことができます。今シーズンはブッシュクラフトに挑戦したいな、と思っている方にはありかもしれません。
■プラスドライバーと栓抜きも付いている
プラスドライバーはマルチツールによくある片側しかないものです。普通のプラスドライバーと比較してしまうと、どうしてもトルクがかかりにくいのは仕方ないですね。大きなネジには対応してくれそうです。
■ヤスリは2種類
ヤスリは両面に付いていて、木工用と金属用の2種類。どちらもあまり目が立っていませんが、その分仕上げは綺麗にヤスれるかもしれません。竹やベニヤ板のササクレを取る時などに便利ですね。
■携帯性抜群なマチェット
これから本格的なアウトドアシーズン、キャンプが楽しい季節です。キャンプに斧は、あればあったで便利です。何より、これひとつで手軽にブッシュクラフトが楽しめるのはいいですね。
また、公共交通機関を利用したソロキャンパーやツーリングキャンパーにとっては、少しでも荷物を軽くしたいところ。ザックに入るコンパクトさは大きな魅力です。ひとつひとつのツールに関してはユーザーが少し手を加える必要があるかもしれませんが、それもまたマルチツールの楽しみのひとつです。ただ使うのではなく、まずは自分好みに仕上げてから実戦投入なんて、愛着もひとしおかもしれませんよ。
<取材・文/GOL>
GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。
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