ポーターの名作「タンカー」の新色アイアンブルーはグッと大人な雰囲気です

■名作「タンカー」の変わらない魅力

日本でのフライトジャケット「MA-1」ブームを巻き起こした映画『トップガン』(1986年)よりも3年早いタイミングで、「MA-1」をモチーフに開発した生地を使い誕生した「タンカー」。

そんな「タンカー」が名作と言われる理由は完成度の高さから。裁断から縫製・パーツに至るすべての工程に、吉田カバンの職人の徹底したこだわりが詰まっていて、そのクオリティは現在も変わりません。ナイロンツイル(表面)+ポリエステル綿(中間層)+ナイロンタフタ(裏面)のオリジナルの3レイヤー生地はとても軽く、ボンディング素材の柔らかな感触は35年以上たった今でも唯一無二の魅力があります。

フラップ部分の3本のステッチ。3本針で一度に縫うのではなく、実は1本ずつ縫製。熟練の職人による高い技術によって生まれる美しさと耐久性もタンカーの魅力のひとつです。

上部のフラップを開けなくてもメインスペースにアクセスできるサイドファスナーによる高い利便性も特徴です。ゴールドカラーのファスナーはデザイン性の面でも◎。

このサイドのファスナーのおかげで肩に掛けたままでも荷物の出し入れがしやすくなっています。

上部に配されたフラップはベルトにより開閉する方式に。フラップのデザインは昔から可愛くて好きだなーと思っていたディテールです。

フラップを開けるとコードで口元を絞る巾着のような仕様になっているがゆえに、あの独特のシルエットが生まれます。

コードをほどくと大きく開くメインスペース。内装はシンプルな作りで、お馴染みの鮮やかなレスキューオレンジはデザインのアクセントカラーになるだけでなく視認性も抜群。高さがあっても奥まで見通せるため、使い勝手も良好です。本物の「MA-1」さながらの3層構造により軽量でありながらも柔らかな感触。PCを入れる場合はPC専用ケースなどに入れて持ち運ぶといいかもしれません。

背中側の上部にはファスナーポケットがひとつ。失くしたくない大事なものを入れておく場所に最適です。シンプルな内装だけに、このようなポケットがひとつあるのはとても助かります。

フロントにふたつ付けられたポケットはマチ幅があるため想像以上の収納力。3層構造による生地はここにも使われています。スマホやパスケースなどの出し入れを頻繁にするものをしまっておく場所にピッタリです。

ショルダーストラップも同素材を使用。ストラップの裏面にはナイロンテープが付けられているため、滑りにくく快適な背負い心地。統一されたデザインだけでなく背負い心地にもこだわっているところからも、「タンカー」が名作と言われる理由を実感します。

*  *  *

今では当たり前になっているウエストバッグやボディバッグの斜め掛けは、90年代ストリートカルチャーの中で「タンカー」のウエストバッグを斜め掛けしたことがきっかけだったとか。

「タンカー」はファッションバッグの枠を超えて普及した稀有なアイテムです。そして今も、登場当時と変わらないデザインと柔らかい感触は、今でも「やっぱりこれだよね」と感じさせてくれる懐かしさと良さがあります。

そんな「タンカー」に登場した新色“アイアンブルー”のバックパック。まるで違うバッグのような新鮮な気持ちで背負えました。すでに「タンカー」を体験している人も、そして未体験の人にもオススメしたいバッグです。

ちなみに近々「タンカー」“アイアンブルー”の取り扱い店舗が拡大するとか。現在はPORTER flagship store(OMOTESANDO / OSAKA)など4店舗だけなのですが、8月7日からはPORTER flagship store(MARUNOUCHI)やPORTER STAND(SHINAGAWA STATION / TOKYO STATION / KYOTO)など、新たに12店舗で取り扱いを開始するそうです。絶妙な色だからこそ、ぜひ一度実際に手にして自分の目で色合いを確認してみてくださいね。ビビッとくるかもしれませんよ。

>> 吉田カバン

 

<取材・文/宇田川雄一

宇田川雄一|スタイリスト。大学卒業後、アシスタントを経て2008年フリーに。モノ誌やWeb媒体を中心に、広告、PVなど幅広く活動。メンズのビジネススタイルを得意とし、雑貨、インテリアなどライフスタイル全般にわたってスタイリングしてきた経験を生かし、執筆も行っている。

 

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