包丁っぽく使えるFEDECAのナイフがあればキャンプ飯の準備が楽しくなる!

■包丁によく似た角度

そもそも包丁とナイフの違いはどこにあるのでしょうか? ひとまず形を見比べてみました。

上からFEDECA「ヤマ飯ナイフ」、家庭用の包丁、そしてキャンプで包丁がわりによく使われているフォールディングナイフで、なるべく刃先が平行になるよう並べてみました。

こうしてみると、包丁と「ヤマ飯ナイフ」はハンドルの角度がよく似ていますし、「ヤマ飯ナイフ」には包丁ほどしっかりしてはいませんが小さなアゴがついています。

一方、フォールディングナイフはハンドルがやや下がっていることがわかります。このためナイフをまな板に当てると刃のごくわずかな部分しか接することはなく、ナイフを大きく引く必要があるんですね。ナイフで千切りやみじん切りをするときに感じる“切りづらさ”の理由です。

「折畳式料理ナイフ」や「ヤマ飯ナイフ」は、刃とハンドルの角度をつけることで包丁みたいに刃先がたっぷりまな板と接します。

刃の幅は一般的なナイフと変わらないので、包丁ほどリズミカルとはいきませんが、それでもナイフ特有のストレスはありません。

 

■日常的に使える「折畳式料理ナイフ」

基本デザインが同じ「折畳式料理ナイフ」と「ヤマ飯ナイフ」。いったいどう使い分ければいいのでしょう?

▲上が「折畳式料理ナイフ」で下が「ヤマ飯ナイフ」

「折畳式料理ナイフ」の刃渡りは93mm、全長220mm、収納サイズ147mm。「ヤマ飯ナイフ」の刃渡りは72mm、全長171mm、収納サイズ117mm。どちらも厚さ2mmの両刃で、安来鋼銀紙三号を芯にしてステンレスで挟んでいます。

どちらも畳めばメスティンに収まるコンパクトサイズで、どっちを選んでも持ち運びに苦労することはありません。

それぞれを握ってみました。

▲「折畳式料理ナイフ」

▲「ヤマ飯ナイフ」

ハンドル30mmの差は大きく、「折畳式料理ナイフ」のほうがしっかりグリップでき、かぼちゃなどちょっと硬い食材を切るときに楽に感じます。

刃渡りが長いほうが大きめの食材を切りやすいので、ファミキャンもソロキャンプも「折畳式料理ナイフ」が断然使いやすい!

とはいえ、少しでも軽いほうが無理せず持ち歩ける。ということは間違いなく、山歩きや自転車旅のように軽快さが重視されるシーンは「ヤマ飯ナイフ」一択です。

「ヤマ飯ナイフ」のコンパクトさはバターなどスプレッドを塗りひろげるのに重宝します。調理には「折畳式料理ナイフ」を使い、「ヤマ飯ナイフ」は卓上にスタンバイ。フルーツを切り分けたりスプレッドを塗ったりに使うなんていう風に使い分けてもいいですね。

「ヤマ飯ナイフ」はハンドルの端にロープや小さなカラビナを通せます。クッカーに入れてキャンプサイトへ、釣り場へはサコッシュに引っ掛けて持ち運び、その場でサッと処理をするなんてことにも向いています。

 

■すみずみまで汚れを取り除いて衛生的

「折畳式料理ナイフ」と「ヤマ飯ナイフ」の特徴は使いやすさだけではありません。自分で分解でき、包丁用の簡易研ぎ器を使えるのでいつまでも清潔に使えるんです。

「折畳式料理ナイフ」と「ヤマ飯ナイフ」にはドライバーとフェルト生地が付属されていて、ハンドルについている2か所のネジを緩めると分解できます。

ワッシャーや皿バネ、ピンなど小さなパーツが組み込まれているのでトレイの中での作業がおすすめ。ロールテーブルのようなすき間がある天板はもちろん、トレイの中であってもフェルト生地を敷いておくと細かなパーツが転がりにくく、紛失予防になりますよ。

ちなみに、万が一ネジや皿バネ、ピンを紛失したときのために、交換パーツが販売されているので安心してください。

ワッシャーの向きを確認しながら分解。よく見ると肉を切ったときの油脂や、油脂に付着した埃などが付着していて結構汚い!

定期的に分解して汚れを取り除くことで気持ちよく使えますね。

ベテランは砥石を使って切れ味の良い刃にできますが、慣れない人が研ぐと刃の角度がおかしくなって切れ味に影響することも。

その点、包丁用の簡易研ぎ器はバランスよく両刃を研げます。砥石のほうが鋭角に刃をつけられると言われていますが、研ぎ慣れていない人にとって簡易研ぎ器が使えるのは心強い。

ちなみに、いつも販売されているとは限りませんが、「折畳式料理ナイフ」にはスタンダードな安来鋼銀紙三号を挟んだステンレスとは異なる、安来鋼青紙二号を芯としたステンレスブレードがオプションで用意されています。プロの料理人が選ぶ切れ味のよい青紙(カーボン)を使用したブレードに交換できるのは料理好きキャンパーにとって大きな魅力です。

*  *  *

ナイフで食材を細かく切るのは大変だから自宅で準備してから出発することもありますが、切った野菜はどうしても傷みが早く、下ごしらえにも限界があります。

包丁よりも持ち運びしやすく、ナイフよりも調理向き。さらに分解して細部まで洗って衛生的に使える「折畳式料理ナイフ」と「ヤマ飯ナイフ」は、長年悩ませてきたキャンプの包丁問題を解決しますよ。

>> FEDECA

 

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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