■フタがなくても大丈夫…かな
最初に「JBL Wave100 TWS」の基本スペックを。オーディオの老舗として知られるJBLですが、最近は米国を中心に若者音楽カルチャーに向けた製品に“JBLサウンド”を届けるブランドになりつつあります。エントリークラスの製品なのでBluetoothのバージョン5.0で対応コーデックはSBC、AACに対応。ちなみに、片耳だけを装着する“デュアルコネクト”にも対応します。
イヤホン実物はモノカラーのつや消しでシンプル。高級感はあまりないですが、デザインとしては癖がなくて扱いやすいかも。イヤホン本体は実測で約5.2g。
少し背の高いイヤホンなので装着時は耳からはみ出します。タッチセンサー搭載ですが、操作は再生・通話系のみで音量操作は不可。また、防水仕様ではない点もご注意を。
さて問題は「JBL Wave100 TWS」最大の特徴である充電ケース。もう最初からツッコミたくて仕方ないのですが、充電ケースにフタがなくてイヤホンがむき出しなんです。バッテリーまわりのスペックを先に紹介しておくと、イヤホン本体で音楽再生は約5時間。ケースで約15時間充電で、合計約20時間と一般的なレベル。
そしてフタがない充電ケースなのですが、逆さにして外れてイヤホン落ちないのか?
…落ちません。「JBL Wave100 TWS」に限った話ではないのですが、イヤホン固定部がマグネットになっていて、吸い付いて逆さにするくらいでは落下しないんです。むしろ、本気で振り落としてやろうと腕をブンブン振ってみても、どうしても落ちません!
取り外すには、片側から指をかけて外すイメージ。確かにこれ、取り出し時にフタを外すワンアクションが減るわけで合理的かも。
ポケットに入れても大丈夫なのかというと…これも問題なし。ケースの縁が高くなっているし、マグネットの固定も強いので外れる心配はありません。
じゃあケースごと硬い地面に落としみたら…?
ダメでした…。
地面に衝突したショックでマグネットによる固定も外れてイヤホンがすっ飛びました。「JBL Wave100 TWS」をケースごと落としてはいけません。と言っても、日常的に完全ワイヤレスイヤホンのケースを落とすことはほぼありません。
意地悪な検証はこれくらいにして、そもそものクオリティをチェックしておきましょう。
MacBook Airとペリングして通話音質をテストしてみると、デジタル処理のような音の癖がありますが、通話できるくらいにクリア。音量が小さめで背景の音もやや拾うタイプですが、問題ないでしょう。
続いてiPhoneと接続してサウンドもチェック。宇多田ヒカルの『あなた』を再生すると、歌声はきちんとクリアでライブ感、臨場感のある空間の音が広がる心地よいサウンド。特にハンドクラップのような拡散する音再現が得意。BrunoMarsの『24K Magic』も適度な軽やかさのあるサウンドで、低音はリズムの刻みを上手く出すタイプ。5500円という価格に対して十分納得できる音質だし、他に似たサウンドのイヤホンも少ないので、好みにハマるならとてもいいですね。
* * *
充電ケースにフタがないという唯一無二の個性派「JBL Wave100 TWS」ですが、5500円の完全ワイヤレスイヤホンとして普通に良品でした。特別な機能はない機種ですが、フタなしの取り回し重視で選んでもいい機種だと思います。
>> JBL
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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