【AMG GLE63 試乗】あのGT-Rを超える585馬力!SUVなのに走りは強烈

ところが普段のGLE 63 Sは、全く別の顔を見せるんです。悠々たる余力をたたえながら、スロットルペダルに軽く足を載せるだけで、GLE 63 S 4マチックはスムーズに走ります。

がっしりしたボディと重厚な乗り心地。直噴ターボと7速ATを組み合わせたドライブトレインも、静かなもの。「なるほど、プレミアムSUVとはこういうものか」と、一時的にクルマを預かったリポーター(←私のことです)は、感心するわけです。

“やるときゃあ、やる”ベンツのヨンク=GLE 63 S 4マチックは一見、大変高価ですが、このクラスのクルマを買い慣れている人たちにとってはどうなんでしょう?

「Eクラス」セダンのAMGバージョンである「E63」は、トップグレードの「E63 S 4マチック」が1727万円。SUVボディの押し出し(と最近のトレンド)を考えると、プラス13万円でGLEのAMGバージョンが買えるのですから、「意外に安い!」と感じる方もいらっしゃるかも。

ちなみに、ライバルと目されるポルシェ「カイエン ターボS」(4.9リッターV8ターボ)は1738万円。BMW「X5 M」(4.4リッターV8ターボ)は1598万円となります。ポルシェにはやや遠慮しながらも、BMWには強気(笑)という、メルセデスの立ち位置が垣間見えます。

さて、いまやジャガー、マセラティ、ベントレー、さらにはランボルギーニまでもが、ラインナップにSUVを展開しようという時代。新たな強豪を迎え撃つメルセデス・ベンツは、1997年に北米アラバマ産の「Mクラス」をリリースして以来、SUVに関しては20年余りの経験を持ちます。

迎撃の第一歩として、ネーミングが統一されていなかったSUV/クロスオーバー系のモデルを「GLクラス」とまとめ、購入層が迷わないよう工夫しました。スリーポインテッドスターの中堅車種であるEクラスのSUV版が、GLEというわけです。

日本市場でのGLEは、3リッターV6ディーゼルターボ(258馬力/63.2kg-m)を積むGLE 350d(仕様によって3グレードをラインナップ)と、AMG版GLE 63 S 4マチックの2種類という割り切った構成。ハイパワーターボを搭載した63 Sは、新生GLEの強力なイメージブースターなのです。

ボディサイズは、全長4825mm、全幅1935mmですから、先に挙げたライバルたちとほぼ同等。2915mmとホイールベースを長めにとって、居住空間を広くとっています。

メルセデスAMG GLE 63 S

インテリアは、上質なナッパレザーを使い、黒の基調色でまとまられます。スポーティな形状のステアリングホイールと、しっかりしたサイドサポートを持つシートが、乗る人に「AMGモデルに乗っているんだ」と意識させます。各部に入る白いステッチがクールですね。

メルセデスAMG GLE 63 S

 ■サーキット走行専用(!?)モード「スポーツ+」

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