■ネット動画対応は申し分なし!
TCLというメーカー、あまり馴染みがないかもしれませんが、2019年に日本を上陸した薄型テレビ世界シェア2位の中国の巨大家電メーカーです。「32S5200A」はそんな同社が手掛けるテレビの低価格機種で、画面サイズは32V型。ネット対応に関してはかなり進んでいて、Wi-Fi内蔵でAndroidTVを搭載と、今風に割り切ったスペックになっています。
実機のセットアップをしていくと…これは、かなりピュアなAndroidTVですね。Wi-Fi接続後に使用中のGmailアドレスでログインすれば、後は自分のグーグルアカウント経由で色々連携してくれます。
そして、いくらTCLが中国メーカーだといっても、「32S5200A」はちゃんと日本国内仕様。地デジ・BS・110度CSチューナーを2系統搭載だし(4K放送は非対応)、本体各所も説明書も全部日本語で、中国メーカーらしさはゼロでした。
リモコンは通常のチャンネル操作以外に、AndroidTVなのでGoogleアシスタントの音声操作専用ボタンもあるし、YouTube、Netflix、Hulu、U-Next、AbemaTVは専用ボタンがあります。日本の大手家電メーカーと遜色ないクオリティです。
テレビの番組表も普通に使いやすい形。外付けHDDで録画も可能と、テレビの基本は押さえていますね。
テレビとなると、やっぱり画質・音質も気になります。TCL「32S5200A」は32V型でフルHDパネル搭載。実は昨今の薄型テレビ事情では32V型はHDパネルが多いので、ハイスペックの部類に入ります。
AndroidTVの画面を見ても映像のドット感は全くないし、地デジ放送の色合いも自然と、予想以上によくできた画質。視野角は完璧ではなくやや白くなりますが、液晶テレビなのでここは我慢。音質はクリアで厚みがあり、まったく不満はありません。
そしてやっぱりAndroidTVは、YouTubeが生活の一部になってる現代人にはとても便利。リモコンに専用ボタンもあるのですが、僕はスマホの文字入力も音声入力するくらいの音声派。
Googleアシスタント専用ボタンを迷わず押して「グッズプレスの動画を流して」と話せば、YouTubeで関連動画を見つけてくれます。同じパターンで、「○○の最新曲を流して」とか「ニュースを流して」とか、音楽もニュースもYouTube頼みの人には最高!
Android搭載なのでアプリの汎用性も抜群。初期から導入済みのアプリだけで、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Hulu、AbemaTV、U-Nextと主要サブスクが勢揃い。他社だとNetflixやプライム・ビデオが漏れたりするんですが、そんな心配はありません。サービスも完璧なところは、さすが世界シェア2位のTCLといったところでしょうか。
GooglePlayストアや、オリジナルの「TCL Chanel」からはDAZN、TVer、dTV、TLASAまで…。もう完全に日本のサブスク事情が研究し尽くされてます。TVerも入っているということは、録画しなくても、TV番組の見逃し試聴もできちゃう訳で…便利過ぎですね。
外付けモニターとしても、もちろん使えます。32型フルHDというスペックですが、HDMI端子ではPS5などのHDR10信号入力を受け付けるので映像も十分キレイですよ。
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日本ではまだまだマイナーメーカーであるTCLの「32S5200A」ですが、このスペックで実勢価格3万円台前半はちょっと驚き。画質音質も十分作り込まれているし、AndroidTVという最強の汎用性を手に入れられる。使い勝手で考えたら日本メーカーすら上回るんじゃ…。「4Kは別に欲しくないけど、YouTubeやネトフリ、プライムビデオは超欲しい」みたいなアナタ!! 買うべきテレビはこれかもしれないですよ!
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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