ただでさえ高性能なタイプRを、さらにブラッシュアップするために重点が置かれたのは、エアロダイナミクス。絶対的な販売数が限られる中、全く異例なことに、イギリスで風洞実験が重ねられ、“実際に効果がある”空力パーツ群が用意されました。
まずは、フロントのダウンフォースを増加させる「フロントエアロバンパー」(17万0640円)。ノーマルモデルに装備されるフォグランプを割愛し、パーツ構成を再考することで、軽量化にも貢献します。
次に、リアのフロア下をエアが抜けやすく配慮し、ダウンフォースを稼ぐ「リアエアロバンパー&ディフューザー」(14万040円)。このパーツに対応する「スポーツエキゾーストシステム」(20万3040円)がセットで用意されます。
スポーツエキゾーストシステムで採用されたセンターパイプはステンレス製、テールパイプはチタン製となります。ノーマルのタイプRでは4本出し仕様となるマフラーですが、MUGEN シビック タイプRでは、排気効率アップと軽量化を狙い1本にまとめられています。ちょっと異色のチューニングですね。
その上、1本出しとなったテールエンド部は“エビ環”と呼ばれる製法で作られます。これは、径の異なるチタンの筒を手作業で繋いでいく仕上げ。まさにレーシングカーで使われる“ワンオフパーツ”そのものの雰囲気を醸し出します。モータースポーツに精通した人なら「オオッ!」と驚く、超マニアックな逸品です。
そして、MUGEN シビック タイプRのリアには、走るコースに合わせて3段階に角度を調整できる「リアウイング」(12万7440円)が装着されます。
前述のとおり、いずれも風洞実験の結果が反映されたパーツですから、クルマ全体でトータルにエアロダイナミクスを向上させるため、ぜひともセットで購入したいアイテムです。
空力性能のアップに加え、さらなる軽量化も図られました。ダンパー/スプリングは純正のままですが、アルミホイールには、切削鍛造製法で作られた専用品が用意されました。1本あたり約3kgの軽量化を果たしています(15万9840円+専用ホイールナット&ロックセット:1万5120円)。
内装では、フルカーボン製のシェルを持つアルカンタラ仕様のフルバケットシート「MS-R」(25万7040円+シートレールセット:29万5920円)、もしくは、バックレストのリクライング調整が可能なセミバケットシート「MS-Z」(17万0640円+シートレールセット:19万9800円)がカタログに載ります。いずれもブラックのアルカンターラが表皮に用いられ、ヘッドレスト部分に、白く「無限 MUGEN」の文字が入った精悍なシートです。
そのほか、各種シフトノブ、専用ブレーキパッド、ハイパフォーマンスオイルなど、無限の意地をかけた(!?)品々がラインナップされます。
特別なシビックを、さらに特別な存在にしたいオーナーの方、一度、無限のホームページをチェックしてみてはいかがでしょう?
(文・写真/ダン・アオキ)
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