より調理しやすくなった超軽量焚き火台 「NINJA FIRESTAND SOLO」

■コンパクトに持ち運べる焚き火台

バックパックにスッと差し込めるスリムな収納袋に入っています。「軽量・コンパクトに持ち運べる」を謳い文句にする焚き火台は数ありますが、組み立てが面倒では食指が動きません。「NINJA FIRESTAND SOLO」はどうでしょうか?

▲重量は400g(本体275g)で、巾着型収納袋に入っています

「NINJA」シリーズらしい巻物型ではないのが残念な気もしますが、サッと取り出す・パッと片付けるのは実は巾着型のほうが有利。

それに収納袋はゆったりめなので、「入らないよー」とイラッとさせられることはないでしょう。

裏側に組み立て図と注意書きが記されています。シンプルな構造なのでなくても大丈夫ですが、やはり最初はこの図があると心強く感じられます。

中に入っているのは、ステンレス製マイクロメッシュの火床、8つにわかれたステンレス製のフレーム、五徳、スペアの脚でもある火吹棒です。

弓なりになっているフレームに、4本の脚を取り付けます。まっすぐのパイプには火床を受け止める小さなパーツが付いているので、向きに注意しましょう。

脚に火床を差し込んでから、トップブリッジを差し込みます。

▲サイズは35×25×H25cm

完成です。「NINJA FIRESTAND」の火床と比べると、幅は同じですが奥行きが10cmほど短くなっています。

また、「NINJA FIRESTAND」はヒンジが付いたクロスフレームに脚を取り付ける形ですが、この「NINJA FIRESTAND SOLO」は脚の底部分とトップブリッジが直交する形。そのおかげでしょう、安定感が違います。

耐荷重は公表されていませんが、薪と鍋で4kgほどまでは載せられるとのこと。9インチ(約φ23cm、約2kg)のスキレットを載せられるのが頼もしいですね。

 

■スライド式五徳はいろんな意味で優秀

既存モデルの「NINJA FIRESTAND」はクロス型の五徳で脚と一体化していましたが、「NINJA FIRESTAND SOLO」は後から載せるタイプになっています。

火床は「NINJA FIRESTAND」と同じマイクロメッシュで、市販の薪を受け止め、よく燃えます。奥行きが25cmというほぼB4サイズの長方形火床なので、両側に太い薪、その間に小枝や細めの薪を置くのが自然。つまり、何も考えなくても調理向きの焚き火を作れるんですね。

パーゴワークスの説明によると、悪条件で火がつきにくいときは、薪をトップブリッジに立てかけるようにすれば井桁になって大きめの火を作れるとのことです。

そして五徳はどの位置に置いてもOK。いい状態の熾を中心に作る必要があった「NINJA FIRESTAND」とは違い、ちょうどいい熾ができた場所に五徳をスライドさせればよく、これも調理向きになったという所以です。シェラカップのような小さな底にも対応していますよ。

五徳はなんとトングとしても使えます。五徳の片方はコの字、反対側は開放されていて、コの字側がバネの役割を担っているんです。ここらへんは、パーゴワークスらしいですね。

先端は小枝をつかみやすいよう丸めて幅広にしています。それに左右のトングが大きくズレることはありません。ただ、丸いステンレスパイプなので熾や太めの薪はまず大丈夫ですが、小枝は少々滑りやすかったように思います。

また、調理中にトングを使えないのは気になるところですが、革手袋をつけて五徳をスライドさせる、付属の火吹き棒を使うことで火力調整ができることを考えれば、正直いって不便とはいえません。

薪を載せることで安定感が増しますが、焚き火が終わりに近づき、薪がスカスカになるとちょっとした風でもあおられてヒヤッとします。軽量焚き火台の宿命ですが、思わぬ風でひっくり返すと大変。足にあたってやけどをするかもしれないし、保管していた薪や着火剤に触れるかもしれません。

その点、「NINJA FIRESTAND SOLO」は脚を石で抑えられるので、焚き火終わりまで安心して使えます。

「NINJA FIRESTAND」に比べると100gほど増えていますが、アンダー400gで安定感を高めた「NINJA FIRESTAND SOLO」は、間違いなく調理向きの焚き火台に進化しています。

>> パーゴワークス

 

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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