肉がススで真っ黒にならない!ふっくらおいしく焼き上がるアイデアグリル

■組み立てに悩まないオールインワン設計

バニティケースみたいなおしゃれなケースに収まっています。このまま部屋に出しっぱなしにしてもインテリアに馴染みそう。

▲左からサイドテーブル2枚、炭入れと灰受け用遮熱板が入った本体&インナー、防炎カバー(炭の屋根)、リフターとグリルプレート、フタ兼遮熱板

パーツが細かくてなんだか組み立てが面倒に思えますが、フタを地面に敷いて、その上に脚を開いた本体を載せ、サイドテーブルや防炎カバーをセットするだけ。完成形がわかればサラッと組み立てられますよ。

少し頭をひねったのがサイドテーブルの取り付けです。これは本体の内側にあるインナーを取り外してからセットします。また、灰ケースの横に収まっているリフターも見逃しやすいので気をつけましょう。

▲使用サイズは635×210×H270mmで重量7kg

サイドテーブルの分だけ大きく見えますが、焼面はおおよそ350×210mmでステーキ肉2枚がぴったりおさまります。

念のため焚き火シートの上にセットしましたが、フタ兼遮熱板を敷いて、さらに灰受け用の遮熱板を装備しているので、焚き火シートが熱くなることはありませんでした。

それに、木炭の継ぎ足しをするときは熱いグリルプレートを取り外し、フタ兼遮熱板の上に載せて一時置きできるのも秀逸です。

もっと大きなBBQグリルでもっと軽いものがありますが、防炎プレートや複数の遮熱板という安全でおいしく肉を焼くための機能が詰まった「SUMI BE BOX」は家族2〜4人のキャンプに十分な大きさでありつつ、持ち運びが楽なギリギリのサイズを実現したと言えるでしょう。

 

■テクニックいらずの炭火焼きに満足

▲木炭を炭入れいっぱいに入れて着火。蓄熱性に優れており、ステーキや焼き肉であれば炭の継ぎ足しをしなくても十分もちました

炭入れは案外小さく感じます。けれど、この上にかぶせる防炎カバーがうまい具合にグリルプレート全体に熱風を送り届けるのでこの量で十分。端のほうまで熱々になります。

▲防炎カバーを取りつけるためにリフターを使って持ち上げていますが、途中で炭を継ぎ足すときは防炎カバーを炭入れの側面に立てかけられます

この防炎カバーが「SUMI BE BOX」の最大の特徴です。写真でもわかりますが、1枚のくの字型プレートではなく、瓦葺のようになっていて中央にスリットが入っているんです。

つまり、脂が木炭にかかることなく脇に流れ落としつつ、熱風を焼面いっぱいに広げるというわけ。

ちなみに、流れ落ちた脂はインナーが受け止めるので、冷めたらインナーを取り外して丸洗いするだけでスッキリ。

本体はオールステンレスですが、グリルプレートのみホーロー加工を施した分厚い(2.8mm)スチール製。炭火が見えないので本当にうまく焼けるのか不安になりますが、遠赤外線の輻射熱で厚めの肉がふっくら! 焦げ付きにくいのも大きなメリットです。

グリルプレートの耐荷重は10kgなのでケトルやスキレットのような重いものを載せても大丈夫。

スキレット料理やスープを作るなんてときは、防炎カバーを取り外して強力な木炭パワーをダイレクトに利用できます。

一方、サイドテーブルの耐荷重は1kgで、調味料を置くのにピッタリ。

煙が立ち上がることがないのでスモーキーな香りは控えめですが、焦げによる苦味やススで真っ黒になることはありません。

グリルプレートに触れた部分が褐色となり、香ばしさが食欲を刺激。このあたりは鉄板に似ていますが、それよりも余分な脂を落としつつもやわらかく、赤身のうまみを感じます。

熱したグリルプレートに肉を置くだけ、テクニック不要なのに上々の仕上がりとなるTIFGの「SUMI BE BOX」。炭の火力調節が苦手でBBQにいい印象がない人、家族のためにおいしい料理をつくりたいと願う人にぴったりです。

>> THE IRON FIELD GEAR

 

<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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