■純正ペレットはちょっぴり甘い香り
「Mimi Moto Pellet Cook Stove」の基本セットは本体とリフター、USBケーブル。
本体には送風ファンが内蔵されていて、ファンを動かすためのバッテリーに充電するためのUSBケーブルで、モバイルバッテリーと接続して使うほか、ソーラーパネルからの充電にも対応します。
ペレットには樹皮を含まないホワイトペレット、樹皮ペレット、樹皮と木部を混合した全木ペレットの3種類あり、Smokehouse Products製の純正ペレットは樹皮やワックスを含まないホワイトペレットです。
国産のホワイトペレットは杉やヒノキが多いのですが、Smokehouse Productsのホワイトペレットはヒッコリーやアップル、チェリーなど全6種類(各1760円)。燃焼時にほんのり甘い香りを漂わせるとはさすが燻製器メーカーのことだけあります。
燃料を入れるチャンバーは大小ふたつで、どちらも上のほうに空気孔があいています。ペレットなどの燃料を入れるのはこの空気孔より1cm下までにして、空気孔を塞がないようにしましょう。
ペレットの上に火をつけた着火剤を落としたら、ダイヤルを回して風を送ります。風量は5段階。最初はスピード1にあわせ、熱がたまるまでそっと風を送ります。
内部に熱がたまり、二次燃焼が始まりました。二次燃焼式ストーブで薪を燃やすと、熱がたまるまで盛大に煙が出てくるし、焚付や薪を投入するなど世話がかかるものですが、ペレットだと煙も匂いもないしほったらかしでOK。ストーブのそばで調理の下ごしらえをしながら付き添うだけでいいんです。
スピードを2、3、4と調整し、より強く二次燃焼を促します。スピードMAXだと炎が暴れるだけなので、3くらいで十分でした。
ファンの駆動時間は低回転で28時間、高回転で9時間。炎がたたなくなり、熾のような状態になったらファンをとめるので、1〜2泊のキャンプではフル高速で使わない限り、家庭で充電をすませるだけで大丈夫。
■バーナーだけでなく燻製やヒーターにも!
炎が上がり、安定したら鍋を載せても大丈夫。
安定感のある五徳なので大鍋でもぐらつく不安はありませんし、しっかり炎が回っていることがわかります。
ちなみに調理中も送風ファンは回しっぱなしです。
そしてこの鍋、底にすすがついていますが、これは焚き火にかけたためで、ペレットによるものではありません。
調理のあとは別売の「Mimi Moto Heater Accessory」(8580円)を装着。炎は見えませんが、遠赤効果でじんわり周囲を暖めてくれます。背が高いので足先の冷えには対応しないのが残念。
最大熱量は20000BTU(約5043kcal)となかなかのものです。
別売のアクセサリーには、燻製ができる「Smoker Box」(4180円)や、火力をマイルドにしてメスティンのようなアルミ鍋を載せてもゆがみにくくする「Mimi Moto Heat Diffuser Plate」(3960円)もありますよ!
燃焼チャンバーは大小ありますが、どちらもおおよそ90分で燃え尽きます。底のほうに少量の灰が残っていて、効率よく燃えていることがわかります。
最後はリフターでチャンバーを持ち上げて、灰捨場に持っていくだけ。
念のため焚き火シートにのせて使いましたが本体の赤い部分はもちろん、焚き火シートが熱くなることはなく、また燃焼中のペレットがこぼれ落ちることもありません。
チャンバーは大で900g、小は400gのペレットが入ります。6時間ほど燃やすとすれば、2.4kg〜5.4kgのペレットが必要で、純正ペレット(1袋2.2kg)だと1〜2袋使う計算。
かさばるように思えますが、余れば袋にいれて長期保管OK。それに薪や木炭よりも断然計算しやすく「消灯時間になっても焚き火が終わらない」なんてことはありません。
屋外専用で薪ストーブや焚き火台と同じくテントの中では使えませんが、火の粉が飛びにくいのでテントから離れずにすむし煮炊きもできるなど、なかなか便利なアイテムです。
>> 「Mimi Moto Pellet Cook Stove」
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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