MYOGデビューにX-PAC製ミニマル財布“ハイカーウォレット”がぴったりでした

■素材へのこだわりは一人前

今回使う生地は、みんな大好きX-PAC(エックスパック)。

ヨットの帆に使われる生地(セイルクロス)のトップブランド、ディメンョンポリアント社の開発した化学繊維で、引き裂きを防ぐ繊維が135度の角度で交差する人気の素材です。軽さ・強さ・防水性など、アウトドアギアにもぴったりな高いスペックはMYOG愛好家にも支持されています。

ファスナー(ジッパー)は日本が誇る世界のブランドYKKの止水タイプ「アクアガード」を用意。スライダー(引き手)は同じくYKKのマットブラックやシルバーを選びました。

■なにはともあれ製作開始!

今回作るウォレットの製作工程は以下のような具合です。

1.サイズと仕様を決める
2.布とファスナーをカットする
3.ファスナーを布に縫い付ける
4.カード類を仕切る布を縫う
5.両サイドを縫う
6.端をきれいに処理する
7.裏返して完成

1.使用シーンに合わせてサイズと仕様を決める

自分の好みでデザインやサイズを決められるのがMYOGの醍醐味。コンセプトは“必要最低限の持ち物入れ”で、「鍵」「緊急用のお札」「クレジットカード」が入るサイズとします。

コンセプトを紙に落とし込んでいきます。ミニマルといえども使い勝手が悪くなっては元も子もないので、サイズに少し余裕を持たせました。大きい声では言えませんが、デザインは検索で見つけたMYOGガチ勢のギアを“リスペクト”しています。

仕様が決まったら、縫い代などを含めた材料の寸法を計算します。次に生地に寸法を写しやすいよう、型紙を作ります。パーツを取り付ける位置も書き込んでおくと、設計図としても機能します。

2.布とファスナーを寸法通りにカットする

型紙を生地に乗せて、印をつけます。今回のパーツは長方形なので、角の位置が分かれば大丈夫。

断裁はハサミでもいいのですが、今回は海外のMYOGガチ勢が愛用している、丸い歯のついたロータリーカッターを使ってみました。定規に当ててスーッと動かすとスパッと布が切断されます。定規を押さえる指先を切らないようにくれぐれもご注意ください。

ファスナーも布と同じ幅で切りますが、裁縫用のハサミでは刃が痛んでしまいそうだったので、キッチンバサミを使います。材料は3セット分ほど用意しておけば、失敗した時も落ち込まずに作業を続けることができるのでオススメです。

3.表裏に注意してファスナーを縫い付ける

いよいよ組み立て工程に入ります。

ファスナーや生地の表裏を確認し、「出来上がった時に、表になる面」を重ね、クリップで固定します。もちろんマチ針でもいいですし、幅の狭い両面テープを使う達人もいるそうです。

縫い目は完成後に隠れるので、多少は歪んでも大丈夫。練習だと思って大胆に縫いました。

カラビナやドローコードでぶら下げることができるよう、15mm幅のナイロンテープでサイドループを作ります。

輪がズレないようにテープの端を縫ってから、本体に取付けます。

4.カード類を仕切る布を縫う

カード類と鍵を分ける仕切りを本体に取付けます。あらかじめ上下の端を5mmほど折り返して縫ってあります。

仕切りをつけると外側は、このようになります。各パーツが正しい位置に縫い付けられているか確認します。

ファスナーに縫い付けた本体の布を端から8mmのところで折り返し、表から見える部分に丁寧にミシンをかけます。

【次ページ】縫い付け工程から完成まで

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