■新しい撮影モードや編集機能が追加されたカメラ
アウトカメラはPixel 6が広角(50メガピクセル/F値1.85)+超広角(12メガピクセル/F値2.2)、Pixel 6 Proが広角(50メガピクセル/F値1.85)+超広角(12メガピクセル/F値2.2)+望遠(48メガピクセル/F値3.5/光学ズーム4倍)という構成。メインの広角カメラのセンサーは、前モデルから取り込む光量が150%もアップしているとのこと。
Pixelのカメラは、従来から鮮明な画質で撮れることに定評があります。Pixel 6/6 Proのカメラも実際に見えるよりも鮮やかな色で写り、明るくスッキリとした色で撮れる「夜景モード」も健在です。
さらに、Pixel 6/6 Proのカメラには、新しい撮影モードや編集機能が追加されています。多くの人に役立ちそうなのが「消しゴムマジック」。意図せずして写り込んだ通行人や余計な物などを、画像から消してしまえる機能です。自動で検出されたものをワンタップで消せるほか、指定したものを消すことも可能。実際に使ってみましたが、精度は抜群。消したものが最初からなかったような写真に仕上がります。SNSにアップする写真をレタッチする手間を大幅に省けそうです。
もうひとつ注目すべき新機能が「モーションモード」。動く被写体にピントを合わせて背景をぼかす、いわゆる “流し撮り” や、シャッタースピードを遅くして被写体の動きを写す「長時間露光」など、スマホのカメラでは難しいと思われていた写真が簡単に撮れるモードです。なお「モーションモード」はフロントカメラで自撮りする際にも使えます。
そもそも満足度が高いカメラに、今のところはPixel 6/6 Proでしか使えない機能が加わり、さらにPixel 6 Proは光学4倍ズームも実現。今秋はiPhone 13 ProやAQUOS R6など、カメラ性能を強化したハイエンドスマホが続々とリリースされましたが、Pixel 6 Proのカメラは、それらに引けを取らない印象です。
■外国語を使う機会が多い人にも大助かり
コロナが収束したら、大いに役に立ちそうなのが「リアルタイム翻訳」機能。いくつかの機能がある中で特に気に入ったのが「通訳モード」です。Googleアシスタントから素早く起動でき、異なる言語で会話をすると、すぐにそれぞれに翻訳されて、音声と画面表示で確認できる仕組み。あいにく、このレビューを書くための試用期間中に外国人と話す機会はありませんでしたが、英語の録音データを流して試してみたところ、精度は非常に高そう。海外旅行や海外出張などで活躍してくれること請け合いです。
外国人とメッセージをやり取りする時に、受信したメッセージをワンタッチで日本語に翻訳することも可能。日本語で入力したメッセージを翻訳して返信することもできるので、もはや翻訳アプリは不要。筆者は「Instagram」のダイレクトメッセージと「Facebook Messenger Lite」で試してみましたが、Androidの「メッセンジャー」「LINE」「Twitter」なども対応しているようです。
さらに、カメラを用いる「Googleレンズ」で翻訳することも可能。輸入品などを購入して、パッケージに書かれていることがわからない、といったときに役立つこと必至。海外のレストランでメニューを見るときも重宝するでしょう。
■高性能と使い勝手を両立させた最適解モデル
ほかにも、プリインストールされている「レコーダー」アプリで、日本語の自動文字起こしができたり、安全性に問題がある場合にすぐにわかったり、「自動車事故検出」などの緊急情報サービスをまとめたアプリが用意されているなど、実用性の高い機能が充実。おサイフケータイに対応し、防塵防水(IP68)にもしっかり対応しています。
多機能で使いこなしが難しいハイエンド機が多い中、Pixel 6/6 Proは、デジタルデバイスについての知識が乏しい人でも、無理なく使い慣れていきそうな操作性です。スマホに性能と使いやすさの両方を求める人にとっては、最適解のモデルとなりそうです。
>> Google Store「Google Pixel 6」
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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