■袋から取り出して設営するまでストレスなし
ガバッと大きく開く横長の巾着型収納袋に入っています。巾着を絞った上でストラップ2本でまとめるので、悪天候時の撤収でドタバタしてもコンパクトにまとめられますね。
中には黒色アルマイト処理を施したフレーム4本と、インナーテント、フライシート、V型ペグ19本が入っています。
ポールとペグのケースは一体化していて、それぞれを片側にまとめて入れています。小さな袋は紛失しやすいのでこれはいいですね。
muracoの2ルームテント「ZIZ TENT SHELTER」に似たフレームワークで、大きなクロスをつくり、前後にもフレームを通すジオデシック構造となっています。フレームの交点が多いため風に強いし、頭上が広々。期待が持てます。
フレームを通すスリーブは本体にピタッと張り付いています。このフラットなスリーブを採用することで、雨や雪がスリーブ部分にたまることなく素早く排出できるというわけ。風によるバタつきも軽減します。
ぺたんこスリーブってフレームを通すのが大変そう…と思いましたが、フレームの頭さえ入ればスルスル。もたつきがちの天頂部もスルッと通り抜けました。
ポールを受け止めるのはグロメットではなく、金属のパーツです。フレームエンドがボール状になっているので、ひとたび金属パーツに差し込むとフレームを内側にずらさない限り抜けることはありません。つまり、ソロでもたてやすいテントってこと!
ガイラインは白。黒い張り綱だとよりかっこよく思えるので自分で交換してもいいのですが、安全性を考えれば白一択です。
■「BLACK BEAK」より広く感じる
インナーテントを吊り下げ、各所をペグダウンし、ベンチレーターを開けば設営はこれで終了。前後に大きなドアがあり、どちらからでも出入りしやすくなっています。
フライは40Dリップストップナイロン、インナーのフロアは68Dリップストップポリエステルです。
いくら少し厚手の生地だとしても、コットを使うとフロアに傷がつきやすいのでインナーテントを取り外してもよし。これはアウトフレーム構造ならではの利点です。
インナーテントのドアは大きくワンアクションで開閉できます。開いたドアは巻き上げることなく、脇のポケットに入れるだけ。面倒くさがりやキャンパーにはうれしい仕様です。
muracoの2人用テントにはすでに「BLACK BEAK 2P」があります。「BLACK BEAK 2P」の組み立てサイズは145×335×H115cmでスペック上は「NORM」より若干大きいのですが、不思議なもので「NORM」のほうが広く感じます。これは「NORM」には大型の後部エントランスがあることと、出入り口パネルが垂直に近くなるほど頭上空間が広いからでしょう。
重量がわずかに増えましたが、滞在型のキャンプであれば居住空間のゆとりのほうが重要ですから、「NORM」はよりキャンプに寄り添うテントとなったといえるでしょう。
フライシートがブラックなので昼間、テントに入ると独特の閉塞感を生みそうですが、インナーテントが白なのでそんな心配はありません。それでも不安な人は、来春にフライシートがグレーのモデルが登場するそうなので、それを待つのもいいですね。
>> muraco
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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