■ブレードとロック機構に注目
前モデル「バタフライソー」と基本構造、サイズは同じですが、ハンドルはサクラから北米産のブラックチェリーになりました。そのまま使うのもいいですが、ワックスを塗り込んで好みの仕上げにするのも楽しいですね。
前モデル「バタフライソー」のロックリングは、ハンドルを握りながら反対側のハンドルに押し込む方式でしたが、「バタフライソー2」はハンドルに小さなポッチがつけられており、ロックリングをかけるとポッチが押し込まれてカチッとロック。前モデルでもきっちりロックできたのですが、目で見てわかるポッチがついていると安心感が増します。
最大の進化はブレードです。もともと高硬炭素鋼にフッ素コートを皮膜していましたが、「バタフライソー2」で採用したのは特殊フッ素コーティング(SSFC:Super Smooth Fluororesin Coating)。耐久性に優れて、より軽い切れ味になっています。
しかもブレードには大胆にコニファーコーンのロゴが記されていて、存在感抜群。美しさも所有欲を満たします。
まだ替え刃は販売されていませんが、いずれ専用の替え刃も販売する予定はあるそう。ご安心を。
横挽きの目は細かくて鋭いので乾燥した木が得意です。一方、茨目は角度が浅く、生木をザクザク切れました。
軽量・コンパクトをうたうノコギリは、挽いているうちに刃がたわんでそれがストレスになるのですが、「バタフライソー2」は薄い刃に見えますがたわむことなくまっすぐ切れます。しかも抵抗感が少なく、軽い力で切り進められました。
さすがにこのコンパクトな刃では広葉樹の極太薪を切るのは大変ですが、ブレードの半分ほどである直径5cmくらいまでの薪なら楽に切断できます。ソロキャンプの小型焚き火台に入れる薪であればまず問題ありませんね。
ポケットにいれて持ち運ぶのも苦にならないサイズ。キャンプ場での使用はもちろん、渓流釣り、ハイキングのお供にも最適ですね。
ブレードの長いノコギリは丸太や極太の薪を楽に切断できますが持ち運びが大変です。
キャンプでは踏み折ることができない市販の薪を短く切る、伐採されたばかりの木を拾ってきてトライポッドやスプーンを作るなんてときがノコギリの出番ですから、「バタフライソー2」はコンパクトでありつつ実用的な大きさにまとめられています。しかも刃の動きがよくなって気分よし。“お守り代わり”というには失礼な本格派です。
>> コニファーコーン
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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