そもそもワーケーション(業務+休暇)とは、職場とは異なるリゾートや地方で働きながら、有給休暇の取得やリフレッシュなどを行う仕組みのこと。観光庁によると“休暇型(福利厚生型)” “業務型(地域課題解決型・合宿型・サテライトオフィス型)”に分けられるそう。ちなみにブレジャー(出張+休暇)は業務型のひとつです。
コロナ禍での新しい働き方の推進により、最近は「観光地や地方で通常業務を行いつつ滞在エリアならではの楽しみを享受する」という新たなスタイルが、勤務や旅の方法になるなど、考え方がより柔軟化しています。簡単に言えば、非日常である旅行が“住む・暮らす”という日常に近い感覚になったような印象です。
実証実験をJALとともに行うHafHを運営するKabuK Style大瀬良亮社長は、今回のタッグについて「平日にも利用者が分散するのかどうかや、新たな人の移動方法、観光庁も掲げている新たな旅のスタイル、アフターコロナの人の動きなどにも注目しています。ただ500名×3回でトレンドの把握は難しく、一人一人のニーズを捉えることが今回のひとつのテーマだという認識です。今後は海外展開も含めてチャレンジしていきたいですね」と話します。
なお、2021年5月発表のクロス・マーケティングと山梨大学生命環境学部の田中敦教授らの共同調査によると、ワーケーション実施者の約4割が“こっそりワーケーション”とのこと(※2021年年5月6日リリース「ワーケーション実施者1000人に実態を聴取 会社の制度を利用せず自主的に実施している“隠れワーケーター”も 潜在ニーズか 山梨大学生命環境学部の田中敦教授らのグループとの共同調査」参照)。
たしかに、結果や進捗が同じならば、自分にとって環境の良い場所で業務したいと移動するのは正しい選択のひとつとも言えそうです。
実際にリモートワークOKを活用して、旅を超えて環境整備が整った場所に短期または長期滞在し、マイクロツーリズムを楽しんだり、地域交流などで人脈を広げるワーケーターの姿も。
そんな中、今回取材で訪れた長崎市の移住支援室では、リモートや在宅での業務が広がっているという流れに乗り、ワーケーションを移住促進につなげる施策を展開。市の移住定住サポートサイト「ながさき人になろう」内にてコワーキングスペースを紹介し、10月下旬には、同市の歴史的建築物「東山手甲十三番館」にてワークスペースの社会実験を実施。歴史的建築物の“業務する場所”としての可能性を探りました。
同市の移住支援室吉岡利章係長によると「長崎は、幕末の開国時から明治にかけ外国人居留地があり、外国人が遠く離れた祖国の仕事を長崎で暮らしながら行っていた、いわばワーケーションの始まりの場所。そのため、今も昔も受け入れ態勢は柔軟。臨機応変に対応していきたいです」とのこと。
なお今回の「航空サブスク」は基本1泊2日ですが、復路のフライトは最大14日後まで設定できます。つまり、1泊以外は自分で宿泊場所を確保するのであれば、到着地を起点に最大約2週間楽しむことも可能。また、同じ場所へ複数回行くこともできるため、気に入ったら“リピート”も。電車やバス、クルマを利用する感覚でサクッとフライトや旅、移動ができるため、長めの滞在や毎回行くお気に入りの旅先候補のリサーチとして使うのもありかもしれません。
今回の実証実験で得たデータをもとに、さらなるサービス改善向上に取り組み、次回以降の企画に役立てたいという「航空サブスク」サービス。日常と非日常の境を無くし、旅の敷居をグッと下げる新しい移動のカタチにプラスして、自分に合った場所探しの面でも有効なのかもしれません。
>> HafH
<取材・文/相川真由美>
相川真由美|エディター/ライター。ライフスタイル系雑誌の編集アシスタントを経て、IT系週刊誌・月刊誌で約10年以上編集者として刊行にたずさわる。現在は、フリーの編集記者として国内外のテーマパークやエンタメ、ならびに観光、航空関連の取材・インタビューを中心に執筆中。
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