収納袋は巾着タイプ。バイクやバックパックにストラップで取り付けられるようにハンドルが横についています。
「SOLOIST」の収納袋に入っているのは本体とペグ8本。白い布は前室を覆う「SOLOIST VB」(5830円。250g)で、一番左は「SOLOIST AL POLE」(6930円。170g)。どちらもより快適にすごすためのオプションです。全部あわせても2kg以下!
いわゆるポール2本で突き上げるツインポールタイプのテントです。ポールは付属されていないので別売の「SOLOIST AL POLE」か120cmくらいのトレッキングポールを使うわけですが、ループがついているので木からロープを伸ばして吊り下げてもいいんです。タープを持っていくなら、タープのポールを利用するという手も。
構造は、フライとインナーテントを一体化したシングルウォールになっています。シングルウォールはダブルウォールに比べて設営の手間がかからないのですが、結露しやすいのが悩みのタネ。
そのため「SOLOIST」が採用した生地は、多孔質をもつフッ素加工樹脂幕ePTFEをラミネートした3層構造で、抜群の防水透湿性を誇ります。
防水透湿性といえばゴアテックス ファブリクスが有名です。世界最高水準の「透湿性25500~98000g/㎡・24hrs以上、耐水圧50000mm以上」などと記載されていますが、「SOLOIST」が作用している日本製ePTFEメンブレンは透湿性30000g/㎡・24hrs以上、耐水圧12000mm。ゴアテックス ファブリクスと比べると耐水圧が低く見えますが、一般的なテントは1500〜2000mmですから十分すぎるスペックです。
この優秀なメンブレンを15Dナイロンリップストップで挟み込んでいるため、強度も兼ね備えています。
生地の透湿性に加えて、メッシュもたっぷり採用しています。両サイドの床近くにベンチレーター、前後にはドアパネルと窓を備えており、これにもメッシュを搭載。徹底的に湿気を排出するぞという意気込みがわかる設計です。
広いテントだと内側が濡れても体に触れることもなく快適ですが、寒い! かといって狭いテントはあたたかく過ごせますが動くと腕や肩が濡れちゃう確率が高まります。「SOLOIST」は壁の傾斜が強めですが、フロア面積は十分で大人が大の字で眠れるほど広い! 湿気をためにくく、熱を逃がしにくい絶妙なサイズと言えそうです。
ベンチレーター部分はオーニング(庇)がついているので雨の日でもフレッシュな空気を取り入れられます。
ちなみに、フロアをピシッと伸ばしてペグダウンすれば、自然にオーニングが広がるクイックセットアップ機構により、設営も撤収もとにかく楽ちん。
オプションの「SOLOIST VB」を装着してみました。多少隙間はありますが、ちょっとした前室が誕生しました。雨の日はもちろん、寒い時期はダイレクトに風がドアパネルに吹き付けないのでそのぶんあたたかく過ごせますね。
「SOLOIST」は前後同じ形なので前後に「SOLOIST VB」を取り付けてもOK。
完全に結露を防ぐことはできませんが、「SOLOIST」には少しでも簡単に設営できて心地よく過ごせるようにという作り手の思いを感じられます。保障期限なしで万一の製造上の不具合はいつでも修理・交換に応じてくれるというのも、自信の表れですね。
>> 鎌倉天幕
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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