■280mmのペグに匹敵する抵抗力
全長229mm、幅8〜21mm、厚さ8mm、重さ175gのペグは280mmのペグに匹敵する抵抗力を持っています。
張り綱が風などによって引っ張られてペグに力が加えられるわけですから、ペグにかかる力は基本的に一方向に限定されます。
「BITE STAKE」はこれに着目。棒状にするのではなく板状にして、板の幅を広げる(最大幅21mm)ことで、張り綱に力がかかっても曲がりにくくしているんですね。
サルタハイクが第三者機関に依頼したテストによると、「BITE STAKE」が曲がり始めるのは張り綱の耐荷重に匹敵する2771N(282kgf)だったそう。
幅広のヘッドで打ち損じしづらい形です。それに板状なのでハンマーで打ち込んでいるうちに張り綱を引っ掛けるフックの位置が回転するなんてこともありません。
おもしろいのがこのヘッドのデザイン。破線で示したラインが打ち込みガイドとなっています。どういうことかと言うと、破線部分が地面に垂直になるようペグを持ちハンマーで打ち込めば、ちょうどいい角度になるというわけです。
また、ペグ先端とヘッドの角度差は約30度となっていて、引き抜く力にも抵抗が生まれるんです。これも第三者機関でテストを行い、280mmの棒状ペグと同等の抵抗力を記録したそう。
フィールドで使ってみました。「BITE STAKE」のヘッドは20mmほどあり、ハンマーの芯を捉えやすく、ぐいぐい入っていきます。ただ、ゴロゴロ石が点在する地面では石を砕くほどのパワーはありませんし、砂地では幅広ではあるものの短いため保持力はさほどないので注意。
一方、地面に食い込めば、張り綱を持っていろいろな方向に引っ張ってみましたがびくともしません。いざ抜こうと思ったときにそのままスポッと抜けることはなく、「スクリュー並に抜けづらい? やっちまったのか!?」と焦りますが、別のペグを丸い穴に差し込んで左右に揺らしてからであれば一般的な鍛造ペグとさほど変わらない力で抜けました。
独特のデザインは所有欲を満たしてくれますし、仲間のペグと混じってしまうなんてこともありません。1本175gなのでお世辞にも軽いとは言えませんが、長さを抑えたいバイクでのキャンプには一考の価値ありです。
>> サルタハイク
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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